WBC(ワールドベースボールクラシック)決勝戦・日本代表対キューバ代表……優勝は日本!

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試合の経過はこちらをご覧下さい。


さて、日本代表、優勝おめでとうございます!
試合の流れを見ていて、非常にドキドキしましたね。いつ点を取られてもおかしくない、キューバの超強力打線。8回までの流れではどっちに転んでもおかしくなかった。キューバにはすごい守備もあったし(内野のボールはほぼすべてノーバウンドで送球処理する伝統がある国ってすごい……)この球場でホームラン叩き出したりしているし。(しかも初回の最初のバッターが!)いつ何点取られても、という緊張感がずっとありましたね。


しかし、たった一点差まで詰め寄られた9回表、イチロー選手が突き放す。ヒットが欲しい場面でヒットを打ち出せる選手って、やっぱり素晴らしいです。そして、彼が一つ打てばいいという場面を創り出した日本打線のチームワークも。それほど長くはない飛距離のこのヒットで2塁からスペシャルな走塁を魅せた川崎選手も。右手一つでホームベースをつかみ取った彼の走りっぷりは、スポーツマンシップの一つの形だと感激しました。
それだけでなく、誰かがエラーをした、誰かがミスをした、そういうときにカバーするヒトが誰かいたり、自力で取り返したり。そうやって、本当にチームワークの良いチームが優勝できた。そして、そういうことを世界にアピールできた。この意味はものすごく大きいし、チームワークを築くために骨を折った全ての選手・スタッフに万歳です!
野球に出来ることはパワーゲームだけではないことを、アメリカ人はもっともっと知るべきだと思います。今回のアメリカ代表の構成が一時期の読売巨人軍みたいだったし……。それじゃ短期決戦は勝ちにくいと思います。


それから、もう一つ書きたいことは、世界的な選手がチームにいる、ということの意味です。もちろん、イチロー選手や大塚選手、彼らはメジャーリーグに非常に詳しいわけで、ボールやロージン、審判のクセ、球場環境など、たくさんの情報を教えてくれたりとか、ムードメイクをしたりとか、打率や防御率に現れない大仕事をなさいましたが……。そういった野球の国際化に果たす彼らの現場での役割はものすごく大きかったと推察しますし……。
それだけでなく、表彰式のイチロー選手の様子がとても象徴的だったのですが、キューバの選手とツーショットで写真撮影してたり、金メダル授与でMLBの方と話をしていたり。日本チームの中でチームメイトと喜ぶだけではなく、キューバの選手を讃え合い、本当に面白いゲームだったというよろこびを分かち合っていた。一種の外交的なことが出来る選手でもある、と、再認識しました。今大会、こんなにしゃべるイチロー選手って珍しいと思ったし。(負けて大酒飲むイチロー選手も珍しかったけど……今じゃ笑い話に出来る^_^;)このチームでメジャーを闘えたら最高だとかコメントなさったそうで。そういうユニークな「世界視線」を日本チームにもたらすことが出来る選手は、何もイチロー一人に限らず、何人いてもいいのでは無いでしょうか。この大会は自分がしゃべった方が盛り上がるということもあったのではないかな、と思いますが、メッセージを野球ファンや、外国の選手、大会運営陣にきちんと伝えられる、そんな選手が日本にいたこと、そして彼の大活躍を誇りに思います。そして、もっともっと、『外交』の出来る野球選手が、日本から出てくるといいと思います。その方がプロ野球自身が面白くなる気がします。


MVPは松坂選手。決勝戦も1点は取られましたが、それが致命傷にならない、締めるところで締めるピッチング。(今日の出会い頭のホームランはある意味仕方ないかと)何度も150Km/h台を叩き出した豪速球は記憶に残ります。MVPのトロフィーが頂いて早々壊れたみたいで「アメリカ製だし自分でアロンアルファで直します」ってその天然っぷりも記憶に残りましたけど……。(大会の運営者のヒトが直してくれると思いますし、何よりすぐ壊れるようなトロフィーを作らないで欲しい……ティファニーが200時間以上かけてデザインして作ったという優勝トロフィーは大丈夫かな?)


応援というと、韓国の応援の仕方が非常に印象深いし、決勝戦キューバの応援もすごかったですが、後半になるにつれて日本の応援にも声が出てきました。サッカーやバレーボールなら代表の応援がしやすいのですが、野球の日本代表の応援の形が作られて行くのはまだまだこれからという印象でした。結局、日本のチームカラーはユニフォームのネイビーブルーなのでしょうか? ちょっとその辺が分かりにくかったですが、この大会が回を重ねれば、ラッパと太鼓に頼らない日本流の代表応援が出来上がって行くのでしょうね。サッカー日本代表はブルーと決まっているように、野球にも分かりやすい色があるといいですね。各国の色を研究して、被らない色で、日本らしい色で。ネイビーブルーはテレビ画面に沈んで見える色合いなので、他の色の方がいいかと個人的には思います。


それにしても、本当に、キューバ代表チームは強かったですね。誰からでも点が取れた感じで。しかし、ピッチャー陣はもっと磨きをかけるべきかもしれません。打たれ始めると崩れやすい印象が残りました。ともあれ、二次予選、準決勝と、多くのメジャーリーガーを撃退した最強打線もまた、記録と記憶に残ることでしょう。


見ていて本当に面白いゲームでした。今年の野球が盛り上がること請け合いです。代表選手は帰国してからが大変ですが、きっと面白いプレイを期待していいかと思います。(機動力野球の一つの完成形を決勝戦で示し、つなぐ野球の面白さを魅せてくれた日本代表の闘い方は、新しい野球ファンをたくさん作ったと思います)


おめでとう! そして、ありがとう!