「トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス」version 7.1〜 至近距離のヴァイブレーション! 〜@吉祥寺「STAR PINE'S CAFE」

日本でブリティッシュスタイルのブラスバンド(映画「ブラス!」で話題になった、ヨーロッパを発祥とする、トロンボーンサクソルン属金管楽器+打楽器による、おおむね30名程度の金管楽団)が定着し始めて久しいですが、その中のトッププレイヤー10名と打楽器による妙技を聴かせる編成が『テンピースブラス』と、呼ばれる物です。
まだまだ日本ではこの編成はなじみが薄いですね。金管金管でも、金管五重奏(ブラス・クインテット)とかの方が有名でしょうか。


さて、現状では日本随一……というより、プロとしては日本唯一(らしい)テンピースブラスである、「トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス」さんですが、コンサートというよりはライブって感じでステージを行いました。お酒を頂きつつ、お料理を頂きつつ。
あの黒沢ひろみさんのユーフォニアムソロをスクリュードライバーを頂きながら味わえるなんて!
ビールがおいしかったですし、タイ風チキン+春雨サラダみたいなヤツがすごくコクがありました。そんなこんなで舌鼓を打ちつつ、ステージ上ではドラムが叩かれているという……すばらしすぎるシチュエーション。ちなみに、今回のメインMCはパーカッショニストの小田もゆるさんでした。明るく丁寧でノリがよく親切なMCぶり。人に優しい打楽器と相まって面白かったですよ。


今回はテンピースの皆さん一人一人にソロ(もしくはデュオ)をまわしながら、いろいろな曲をやっていくという趣向もありました。
テナーホーンソロとか、そうそう聴けないでしょうね。


で、まあ、テンピース編成って結構なんでもありみたいで、(っていうか、日本の吹奏楽は何でもありだと思う)美空ひばり、荒城の月とか……あと、ベートーヴェンも冗談音楽に仕立て上げ(ちゃんとやってもこのバンドならうまいだろうけど!)グループサウンズから何から取り上げてしまいます。
いやいやはやはや……。ほんとに目の前で展開される音世界が楽しい。


お酒がものすごくおいしかった*1のは、音楽がおいしかったから!
終演後、私がかなり酔っぱらっていたのは、金管を味わい尽くした状態だったから!


それから、「トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス」の宣伝(別に回し者じゃないですが!)。
次回のコンサートは、また東京文化会館小ホールで……2008/1/28(Mon.) 19:00 Start!
(ちなみに前回のレポートはhttp://d.hatena.ne.jp/Yuny/20070123/p2
今回も新作初演があるそうで、今から楽しみです!
チケット情報は冒頭でご紹介したトレイルのWebサイトをご覧ください。


それにしても、テンピース編成って面白い。カルテットやクインテットでは音の重厚さに限界がなくはないですし、かといってブラスバンド金管オンリーの方)だと曲によっては大きすぎることもある。テンピースだと、そのあたりの良いトコ取りができて、小さなホールでも大きな演奏ができるし、大きなホールでもまとまって聴かせてくれます。勢いのある軽やかな曲が得意そうなトレイルさんですが、じっくり聞かせる系も結構うまいし。アレンジする方も面白いだろうなー、この編成なら、大きすぎることに振り回されることも無さげだし、ひとりひとりの妙技を出すことも……。
まるで群像劇を見るようなコンサートですよ。毎回必見なのは、そのあたり……演劇に通じるような感じが好きなのかも。
ブラスファンじゃなくても面白いと思いますよ。これ、音楽のジャンルとして。
あと、管弦楽団内、吹奏楽部内でテンピース編成(楽器はサクソルン系じゃなくても、コルネットの代用にトランペット、テナーホーンの代用にフレンチホルンとかで構わないと思いますが)で演奏活動をするのも良い練習になりそう。特に管弦楽だと金管って暇ですし。一人一人が鍛えられますし、四重奏五重奏よりは迫力があるし。
やる方は勉強になるし、見る方は面白いと思うんですよね。


今後の活動に……とりあえず、次回のコンサートに期待します!

2007年12月6日 訂正

失礼しました。上記文面中、ユーフォニアム&バンドリーダーである、黒沢ひろみさんのお名前をミスタイプしておりました。tとrを間違えていたみたいです(訂正済)。ひとみさんじゃないですね(滝汗!)。

*1:同じ会場で、30日の金曜日には、ツルノリヒロ「光のように 波のように」花実「月の娘 〜Daughter of the Moon〜」同時発売記念ライブというのがあるそうで。ヴァイオリン、ボーカル、ギター、琵琶、パーカッションに、ゲストでアイリッシュフルート、ユーフォニアムという……。ここのお料理はおいしいし、ちょっと面白そうなので、チケット買っちゃいました。