Adobe Creative Suiteは、もはやMT車なのかもしれない?

車の教習もいよいよ終盤です。
「車を学ぶならしっかりクラッチを理解しておくべき」「安全運転への見識が広がる」ということもあってMT課程を取っていますが、現代の車事情を考えると、事実上の標準はATですね。業務で使う、あるいは自宅の車がMT、ということがなければ、MT免許を取っても使うことはあまりなさそうな昨今です。
ただ、MT課程で良かったと思っています。クラッチ&ギアによるコントロールを経験したから、最初からATしか乗らない人よりもコントロールができたり、トラブル対応ができそうで。


で、今日の本題はPhotoshopに代表される、Adobeさんの出している超高級画像編集ソフトウェアの一群「Adobe Creative Suite」について。


故(涙)スティーブ・ジョブズさんが凝り性(感謝!)だったため、Macintoshは初期バージョンから美しいフォントを搭載した魅力的なパソコンとして誕生しました。Mac DrawやMac Paintといったバンドルされた画像編集ソフトは、未来のデザイン業務の可能性を大きく提示するものでした。
これをデザイン業界の人たちがほうっておくはずはなく。Macは高かったものの、だんだんと普及し、Adobeをはじめとしたソフトウェアベンダーの努力もあってDTPの概念ができ……そして今ではパソコン上で画像処理をすることが、一般の人にも当たり前になりつつあります。
この流れへのおおきなきっかけを作ったスティーブ・ジョブズさんには、世界中の人が感謝を捧げていますね。

そして今。

自動車でAT車がほぼ当たり前になったのと同じような状況が、画像編集ソフトの業界でも起きているのではないか、と、思うのです。
つまり、手作業で自分なりに使いこなしていくソフトウェアを使わなくても、相当な部分を自動化してくれる画像処理ソフトがたくさん出て来ているということです。しかも、それらは安かったり、あるいは技術が広まったおかげで、GIMPのように無料だったりもしています。
それに、ひと昔前までは人々に広く物事を伝えるためには、印刷して配るのが当たり前でしたが、今はインターネット=画面表示のメディアで一瞬にしてニュースを広められます。


Photoshopのプロ版やExtendedのような専門特化製品を使い、CMYKカラーや16ビットによる精細な画像編集を行わなくても、GIMP(をはじめとするフリー〜シェアウェアなど)と手入力HTML+CSSで充分に使えるものは出来るようになってきました。
こうした中、かつてよりは格安になったとはいうものの、画像処理においてPhotoshopを使う、そんな必要があるユーザは減っているのではないでしょうか。


Adobeはユーザへのライセンス料負担を軽減するため、月賦で払える「サブスクリプション」という料金プランを立てています。Cnetでの報道はこちら。
http://japan.cnet.com/news/commentary/35010911/


それに、これからは「Adobe Creative Suite」のメジャーバージョンアップは2年に1度とする、ということも表明されています。


でも、実のところ技術的にはもう飽和状態なような気がします。
もはや、売るための商売になっていて、技術を広めて世の中を便利にする段階はとっくに通り過ぎてしまっているような...。
新バージョンのPhotoshopを、本当の意味で必要としている人は、どれくらい居るんでしょう?
もちろん、画像処理ソフトのスタンダードフォーマットとして、まずはこのソフトを使いこなしておく必要はあるのですが...。


Adobeさんは、これからどこを目指し、どんな未来を提示するのでしょうか...。