サポートエンジニアにも、愛を!

私のお仕事は、某大学文系学部でのパソコンユーザサポート。最近ではユーザサポートエンジニアがどうやら天職だって悟り始めているところです...。でも、む〜。サポートエンジニアって職種、なかなか一般的な名称ではないらしいですが...。テクニカルな意味でのユーザサポートも、モノを作るシゴトを支える立派なエンジニアなんですよ。うちの職場ではなかなか大きなことは出来ませんが(それでもまれに問い合わせを出すくらいはあるけれど)、ソフトウェアベンダー直営のサポートセンターの場合、ユーザからの声を拾って、リリース後のバグフィックスや新機能開発に活用することは多々あるようですからねえ。


というわけで、はてなさんとアイデムさんが共同募集中のお題に答えてみたいと思います。


アイデム エンジニアキャリアHacks共有プロジェクト』より、テーマ『5年後の「エンジニアの働き方」は、どう変わっていてほしいですか?


システムエンジニアさんだとまたちがう話が出てきそうですが。サポートエンジニア、の場合。
「サポートの質」が、ちゃんと報酬に直結する評価システムが欲しいかなあ...。


経験や知識が豊富な誰かさんにシゴトが集中している割に、給料に差が出ないとか。書いたサポートメールの本数や取った電話の本数で給料が決まる出来高制とか。どちらもありがちですが、自分としてはイヤなスタイルだなあと*1
何がイヤかというと、前者は仕事量に対して報酬で報いていないでしょう。後者はもっと悪く、丁寧なサポートとか一本の相談から見えてくる様々な問題について掘り下げて総合的な対策を開発者に提案することとかをないがしろにして、サポートという業務をただの「作業」としか見ていないでしょう。


とはいえ、評価の仕方が難しい職種ではあります。ある種、学校の先生みたいなものでもあるし。かといって、予備校や英会話学校みたいに「京都大学に何人合格!」「TOEIC900点を何名がクリア!」みたいな指標があるわけでもない。
ユーザ満足度で測ることもある程度は出来そうですが、見えない部分の仕事量までは評価できないかなと。どういう工夫をしているかとか、他のサポーターをどう助けているかとか。それに、あんまりにもひどいサポートをしない限り、日本人はあまり辛口評価をしないんじゃないかな。「べつに...」みたいな無関心的な感じがたいてい多いと思うし。
それに、ひとりでサポートは出来ないです。ある問題が発生したときに、みんなで多面的に対応しないと、本当の解決は出来ないって、今の職場で痛感しましたから。


あと、人材派遣的な働き方よりも、本来的には正職員の方が立場的には向いている職種でもあるかなと。
何か重大なバグでユーザに迷惑をかけてしまったとき。一番最前線に立つのがこの職種です。それを考えたら、企業の社会的責任にも、労働者のモチベーションにも関わりますよね、正職員かどうかって。コトバは悪いですが尻拭い的な存在なので、愛社精神というか、忠誠心というか、そういうのがどこかにないと続けていくのは難しい(そういう気持ちの塊になれ、ということではありませんが、自分が嫌いな会社のサポートをするのって、厳しくないですか? 普通に考えて)。
それに、長年同じ会社の製品を担当した人でないと、対応しにくい場合もあり得ます。経験則で分かることって多いですから。
さらに、きめ細やかなサポートを総合的に提供することを考えたら、契約上シゴトの仕方に縛りが出てくる派遣よりも、柔軟に対応できうる正社員の方がいいのでは、と。


でも、人材募集は派遣が多い。こういう職種に正社員を配置できる会社は多くはありません。


現場に正社員を置いても、それはどちらかというと取りまとめ役というか、上司みたいな存在になっていて、直接ユーザーズボイスを聞くことはない。ひどいクレームのみ対応する、という形が多いようです。


サポートと開発部の横のつながりが良くて、ユーザの声を拾って製品に活かしてくれて、でもってスタッフは基本的に直接雇用の正社員で。
こういうシステムを整えた上でモノづくりをできる会社って、多分、働きやすいんじゃないかなあ。製品の質もいいのではないかと。


上から要求される立場が、ただ単に苦情の聞き役みたいなのはイヤですねえ。ほんとに。面倒なことを押し付けられるだけ押し付けて、みたいなのは...。

2012年1月16日 追記

アイデム エンジニアキャリアHacks共有プロジェクト」キャンペーン当選者発表! - はてなダイアリー日記
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20120110/1326181125
にて、優秀賞に当選させていただいたので(ありがとうございます!)、所感を書きました。
http://d.hatena.ne.jp/Yuny/20120116/p2

*1:あ、うちの職場の話じゃないですよ。自分が今後もサポートエンジニアを続けるとしたら、の話なんですけれど