署名活動で辞めなくてすみそうらしい

というわけで、あの記者会見でも、あの週刊誌の告発記事でも大学を辞するようなことが言われていたけれども。
記者会見を拝見していて、過ちをきちんと説明してくださる誠実な良い方だなあという印象があったので、良いお知らせである。
今回の貴重な経験を踏まえ、学生さんたちに音楽や作曲など以外にも、きっと、伝えるべきことはあるだろう。
作曲での大学の先生というのは、本当に色んな意味で狭い狭い門。
自分が学生だったら、お辞めになられたらその方がダメージが大きくてショックだ。
ぶっちゃけ、現代音楽では儲からないから、頼まれて他ジャンルでお仕事をして、で、それができが良過ぎたからこそこんなことになってしまった。じゃあどうしたらいいの? というのは、ひとり引責辞任しても解決するようなことじゃない。


それに、売り方にも経歴詐称にも障がい者詐称にも、ともかく問題は多々多々あったが。
提起された問題点……日本のマスメディアの問題、印象操作、などなど、いろいろ考えなくてはいけないことだ。
N氏の今後の処遇だけではない。
S氏の側にも、過剰なる罰はないと良いのだが。
明らかに悪人だからと、メディアスクラムで過剰にバッシングして、自殺などの悲劇にまで追い込んでしまうようなことがあってはならない。それでは解決にならない。あり得そうで怖い。マスコミは暗にそういったことまで狙ってはいないか? 彼のおかげで良い思いをした者、自分を含めてある種の『物語』を『楽しんだ』者、いろいろ、冷静に考えなくてはいけないだろう。検証されなければいけないだろう。
悪いことをしたら釈明するべき。誠実な説明や、必要な賠償もすべき。しかし、いくら釈明しても社会的には一生赦されないとしたら、どこにも救いはないじゃないか。日本がそんな赦しのない国だと、私は思いたくないのだ。