アナと雪の女王2、も見てきた

昨日は「すみっこぐらし」に続いて、「アナ雪2」も見てこられました。2本ハシゴするのは久しぶり。
雨でも映画館は超満員で、公開されたばかりとあってか、ディズニー側からと思しきアンケートも配られていたりして。
自分としては前作「アナ雪」の見所は、アナの自由闊達なキャラクターと、雪の女王ことエルサの妹への愛だと思っていて。
これ、まだ記事を書いていませんが配信で先日見た「マレフィセント」も育てのお母様の愛情の物語でもあると思っていて、ディズニーは最近、家族愛の定義が本当に広いな、と感心している次第。
で、昨日は色々考えてて感想を書けませんでしたが、「アナ雪」って「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」とかなり似ているなあ、って思ってしまいましたので書きます。
知らない人のために書いておくと、「ダイ」は昔、週刊少年ジャンプで連載していた漫画、ドラゴンクエストシリーズの世界観を生かしたもう一つのドラクエと言える作品です。少年勇者ダイと、親友の魔法使いポップを中心とした冒険譚で、世界を破滅に導かんとする大魔王を倒すため、様々なドラマが繰り広げられました。漫画ならではの多くの試みがあり、いくつかの必殺技などはのちのゲーム本編に逆輸入されたりもしていますね。
で、特異なのは、ドラクエ1の主人公が「ロトの血を引いているから強い」というのと同様、「ダイ」も、「伝説の戦士《ドラゴンの騎士》の末裔だったから特殊な能力があって強かった」という設定。親友ポップは田舎町の武器屋の息子で、一般人の一人。でもポップも最終的には大魔王の度肝を抜く一撃を決めるまでに成長します。
で、「ダイ」についてはこれくらいですが。「アナ雪1」は物語の構造として、先天的特殊能力者のエルサを、ただの人間であるアナが救うという点が、勇者ダイを救った一般人ポップを想起させるものがあるなと。実際、一度はメガンテでダイのためにポップは死んでいますし。「アナ雪1」ではアナはエルサのために凍りついてでも身を呈しました。制作者がどこまで意図したのかはわかりませんが。
で、「アナ雪2」は、「ダイ」でいうところの海底神殿、魔法使いエルサの魔力の源流を問う物語です。そして、両親の死の真相もそこにありました。優しい両親でしたが、「アナ雪1」ではものすごくあっさりと船舶事故で亡くなられていました。しかし、そもそも何をしに船に乗ったのかすら語られていませんでしたね。
その辺りは本編をご覧いただくとして。2作目もやっぱり絶望したエルサを動かすのはアナなんだなあと。実際、ポップも絶望したダイを立ち上がらせたことが何度もありました。危機に遭って先に進むのに必要なのは、特殊能力よりなによりも、自分にできることをする決断力そのものなんですね。それこそがダイになくてポップにあった「勇気」であり、エルサにない「アナの魔法」であったと思われます。本編でそういう言い方はしていませんが、あんな計算なしの無茶は、魔法以外の何物でもないとしか。普通の人にはあんなことできませんよ。2作目でやってくれたのは振り下ろされる剣の前に身を挺するどころじゃない無茶でした。どっちにしろ、普通なら死んでいます。
それにオラフは、狂言回しに終わらず本作ではクリストフ以上のヒーローぶりを発揮(私の見立てです)。
なんだかんだあって王国には平和が戻る大団円。アナもエルサも「自分らしく」生きられる道を最終的に選ぶことになりました。こうなるとアナの恋人をするのは本当に大変だなあと。クリストフは尻に敷かれるのが目に見えていますが、まあ、好きになったんなら仕方がないですな。本人たちは幸せそうなのでいいか。それにエルサはあれでよかったんだと思います。なんかやっぱり制約が多そうでしたから、のびのびできる場所が見つかって。
迫力あるアクションシーンは、やっぱりテレビやスマホの画面ではなく、劇場で一度は味わった方が良いと思いました。満員の映画館、感動的なシーンではすすり泣きも聞こえました。これは封切り直後ならではなので、やっぱり行ってよかったなあと。

ただ、これだけは書いておかないと、という現実的な注意点が2点。
東日本大震災などで、津波にトラウマがある方の鑑賞は注意されたほうが良いかと思います。本作は4DXではないんですが、高波のシーンは画面から水があふれんばかりの迫力でした。
それから、物語上の重要なキーワードとして「水には記憶がある」という概念が出てきます。この物語上は効果的な設定であり、ロマンとして捉えるには魅力的な世界観です。が、この概念に聞き覚えがあったためインターネットを検索すると、やはりその痕跡が見つかりました。一部の新宗教さながらの金銭的社会的トラブルすら起きていたようです。もちろん、世界観を持つのは自由なので、この概念が現実にもあると考えている人たちを否定するつもりも、肯定するつもりも私にはありませんが、検索すれば出てきてしまう以上、こうしたことからまだ判断力のない子供さんが「似非科学」にハマったりなんて...しないかなと。「本当に水には記憶があるの?」なんて聞かれたら、親御さんはなんて答えると良いのでしょうか....老婆心ながら気になりました。
日本ならではの注意点も気になりつつも、やはり素晴らしい作品でした。1作目の謎が気になる方は是非劇場へ。エンドロールのラストまで、席を立たないでください!