『愛のヴィクトリアンジュエリー 華麗なる英国のライフスタイル』展

八王子の夢美術館で、宝飾品の展覧会を見てきました。
あくまでも! イギリスの作品展なんですけど、雰囲気的になんとなく脳内で池田理代子ワールドになってしまったのは、明らかに最近読み直した『ベルサイユのばら』のせい。
テキトーな言葉を使って申し訳ないんですが、なんとなくフランスの宮廷の装飾品って華やかにふわっとしてるイメージが。
イギリスはやっぱり華やかさの中にどこかパリッとした感じが漂っていました。
それと、そもそも、日常的に宝飾品などない庶民なもので。
こんだけホンモノのジュエリーをバンバン見ちゃうと、気分的にルパン三世になりたくなったりして。いや、やりませんしやれませんけれども!
さて冗談はともかく。
ホントにダイヤモンドとかピンク・サファイアとかを拝見したの、久しぶりだなあ。
あのフランスを揺るがした『ダイヤモンドの首飾り事件』を思わず思い出してしまうダイヤモンドのジュエリーは(今回のはあくまでもイギリスのジュエリーですが、すっごくダイヤモンドだらけでゴージャス!)本当に夢みたいにきらびやかでした(あ、だから夢美術館でやってるのか)。
で、あの、国を揺るがした首飾り事件のジュエリーはもっともっとすごかったってことになるので……どんだけだよ、ってなりますね。妄想しばし。
それから、お国柄だなあってなったのは、戦争の時に貴金属を拠出してくれた人に代わりに渡したという、鉄製の首飾り。これが、鉄だって馬鹿にしちゃいかんって感じで。ものすごく繊細にできていて、職人さんの本気を感じました。戦時だからあんまり華美なのもよろしくないかもだけど、ジュエリーを付けないのも胸元が寂しい、っていうニーズ(多分)にぴったり。色は黒で仕上げていて、シャープでかっこいいんだなこれが。
それから、今は亡き(涙)ダイアナ元妃のお使いになっていた指輪もありましたね。チャールズさんとのお写真もあって、お若いときの持ち物なのでしょう。あのときは良かったなぁ……。歴史は時に非情……。
展示の後半は、ウェディングドレスやティーセットなど、より立体的な展示でした。
ジュエリーのデザイン画もたくさんあって、これ、西洋史で漫画を描いてるひとには良い資料なんじゃ、とか思ったり。緻密ですごかった(語彙力。。。)。
ウェディングドレスやウェディングケーキって、イギリスのロイヤル発祥だったんですなー。これ絶対に腰が細ーくないと締まらないんですが、コルセットの世界のアイテムなら納得がいきました。当時、宮廷のダイエット術とかひそかに伝わってたんでしょうか?
それから、イギリス宮廷の伝統、午後のティータイムをセットアップした展示も素敵でしたね。でもあんなにきんきらきんだと落ち着いてお茶を飲めなさそうとかなってしまった。
じーっくり見てきて、時にはジュエリーの中に大切な方の遺髪をしまってとっておいたり、とかを知って。
つくづく、こういうロイヤルな人たちって、こういうアイテムを持つに値する人間であろう、という努力を日々せざるをえなかったろーなーっと。
父上がくださったあのジュエリーに恥じない娘であろう、みたいな。
その人が大切にしている持ち物って、やっぱりそのヒトを語ると思うんですよね。見た目てヒトを判断するとかは嫌いな価値観ですが、それとは全然別の意味で。
たまたま近くを通りかかって寄った感じでしたが、暑い中で清涼で夢みたいなひとときを過ごさせていただきました。宝飾品や西洋文化史に興味があるヒトにホントにおすすめです。あと、このコロナ禍のド不況禍、せめて気分だけでもゴージャスになってみたい方にもおすすめですね! キラキラ感って、時には大事だわぁ。カメオとかも久しぶりで、緻密ですごかったです。

会期=2022/7/1(金)〜2022/9/4(日)