派遣のオスカル、4回目。

今回のドラマ「派遣のオスカル」は、怪盗『黒い騎士』事件……ならぬ、MIZUKI盗難事件。


今回のテーマでもある、本物とイミテーションのモチーフは、なんとなく首飾り事件を思い起こさせるものがあります。
それに、この「派遣のオスカル」というストーリー自体が、本物とイミテーションのモチーフをなぞっているところがあるような気がするのですよね。


劇中劇、ならぬ劇中漫画として「ベルばら」の名シーンが図柄ごと引用されることで、作品を知らないヒトでもイメージだけは伝わります。そして、そのシーンが音読されるから、リアリティが増してくる。ドラマの中での現実(本物)に、漫画というイミテーションの世界、イメージの中でしかない世界が近づいてきて、逆に現実に起こっていることがどういうことなのか、登場人物の心境がどういったものなのかが視聴者によく伝わってくる。今回はオスカルを見守る立場としてのアンドレの台詞のシーンが、勝子の心境を代弁してもいるのが非常に興味深かったと思います。あそこであのシーンを引っ張ってくるとは、脚本家さんがよ〜くベルばらを知っていて、読み込んでいて、血肉としていて、加えて「勝子」というキャラクターが立っていなければできないことだと感じました。


さて、本筋の「佐藤のおじさん」の素性と過去のいきさつと平行して、「和風美人」発売へのか細い糸がなんとかつながりました。
開発2課は、ふるさとの香りを各家庭に届けることができるのか!? プロジェクト・エーックス!(番組が違うがな〜!!)
その開発条件を引き出すために、課長さんが超過勤務の問題を上層部に訴えていましたが、このあたりはドラマ原作『少女漫画』にちょっとだけあったシーンです。なるほど、こういう風に活かしたんですね。たしかに、どうせ同じ時間を使って働くのであれば、少しでもやりがいがあり、開発しがいのある商品に携わりたいものですね。実際問題として、不況からの脱出策って、従業員がやってみたいと自発的に思える仕事を、低コストで回していくことができるかどうかにありそうな気がします。モチベーションは高く、コストは安く。シゴトのひとつの理想形です。


それから、今回は少女漫画*1らしいモチーフがいろいろ出てきました。仮面舞踏会に結婚式。
一緒にドラマを見ている友人からの情報によりますと、この結婚式場となったのが東京都昭島市昭和の森にある「フォレスト・イン 昭和館」ではないかということですが。録画ビデオとサイトをチェックしてみたら、35分ごろ教会の鐘の音とともに現れるチャペルが同じです! 友人もびっくりしていましたが、知っている場所がドラマに出てくると現実と仮想現実がつながったみたいで面白いですよね。このホテルに「ベルばら」を持参していけば、気分は勝子かオスカルか!?
ちなみに、このホテルでは、10月に世界でたった一つの香水を自分で調合する体験イベントがあるそうです。ドラマとは関係なさそうですが、佐藤のおじさん、ならぬ、天才調香師「ネ」の気分を味わってみたい方はどうぞ!?


そんなこんなで、ついに次回は5回目……。
次回も「弾こめ〜、進撃っ!!」となりますか? 辞表を出すらしい勝子。どうするつもりなのでしょうね?

*1:そういえば、少女漫画の古典といえば、この「ベルばら」に加えて「ガラかめ」もはずせませんが、今回社長ジュニアが勝子を評して「豆台風」呼ばわりしていましたね。あれ、元ネタは「ガラかめ」じゃないですかねえ、たしか!? 社長ジュニアが実は勝子レベルの妄想家(ただしジャンルは「ガラかめ」)だとしたらかなり笑えるかもしれない。いや、そんなキャラ設定はないと思いますけれど!!