親子竜の激闘の後に

最近、『ダイの大冒険』(新アニメ版)を配信で見直しています。
バランを辛くも、本当に紙一重のような痛み分けで退けたダイ一行。
ポップが2つの奇跡を起こさなかったら、バランの中の人間としての心も動かなかったのかもしれません。
ひとつは魔法使いにも関わらずメガンテを撃てたこと(一応、失敗とされてはいますが)。……というか、まだ少年にも関わらず、まだまだひよっこでしかないと思われているにも関わらず、メガンテを撃ってしまったこと。
マホカトール、ラナリオン、フォンガーフレアボムズメガンテ……。レベルも職業も関係なく、やるっきゃないからやった。ダイのアバン流刀殺法修得の物語も熱いですが、ポップの魔法道もまたかくや。師匠に無理すると寿命が縮まるぞ、と、あとで怒られちゃいますけどそれもさもありなん。
それからもう一つの奇跡はもちろん、レオナやゴメちゃんの助力はあったにせよ、死んでもダイを見捨てない一発。あれ、多分イオかなあと思いますけど……。ガルダンディーを倒した一撃といい、良いところでちょいちょい出てきますね、イオ。
ダイの闘いぶりだけでなく、ポップの生き方に何か思うところがあったのか、バランはポップを救ってその場を去ります。
まあ、愛刀も折れてしまいましたし、自身もダイもボロボロになっているし、息子相手に竜魔人となってしまった自分を反省する意味もあるのかなと。国ひとつ滅ぼせるチカラを愛する息子に向けてしまうのは、いくらなんでもやりすぎでしょう。
その後、ダイ一行は復活したポップを伴い、テランでの休養(しかしハドラーたちが攻めてきた)、マトリフ師との再会、『アバンの書』からの教えを得て、パプニカへ戻りました。
『アバンの書』はいつ書かれたのでしょうね。ヒュンケルたちは知らなかったようなのですが、この少し先のシーンではマァムも知らなかったことが判明します。『獄炎』で語られる日が来るでしょうか?
多分、ヒュンケルの落下事故の後かなあ……。マァムに初歩を教えたのも数日程度らしい(?)ですし、ポップとはダイに出会うまで一緒で、この時にはすでに書き上げてカールの図書館に寄贈しているはず。ちょっと気になります。
ともあれ一行がパプニカに戻るシーンはアニメオリジナル。気球を使ったんですね。ちょっと大きなデパートに買い物行ってくる〜、みたいな数日程度のプチ外出のつもりが長く不在して、パプニカのみなさんに相当な心配をかけてしまった様子。いつものおてんば姫のノリを期待して叱ろうとしたら、王女レオナとして対応されたときの温度差が良い!
やっぱり王女様であり、現行の最高権力者様なんですよ、パプニカの。
この先は若き指導者レオナ様の政治手腕がブリバリと発揮されるのですよね。この辺の流れは好きです。
それからダイくんたちはしばし休養を……と思ったら、ロモスへ行くことに。名剣を賞品に武術大会開催! との吉報が舞い込んだからですね。
しかし大会は今日! しかも行ったら受付締切! でも大活躍してる女の子がいるからって見に行ってみたら…あのマァムさんとの再会!
この辺のありゃ、やっちゃったか……うぉう! な展開、記憶消して読み直したくなります。せめてアニメで見られてよかったよかった。やっぱり躍動感がいいですね。
空手ねずみのチウ君も登場。彼が武道家としての致命的な弱点を知るシーン、原作より傷口に塩を塗り込んでませんか?(笑)
盛況続く武道大会……しかし。実はロモス城に深く入り込んでいた、とある魔族によるものだったのでした。彼の企みや、いかに!
ところで。
この武術大会ってネタは、ドラクエ4のアリーナ姫様のストーリーをオマージュしたものかもしれませんね。それプラス、ドラゴンボールっぽくもあります。
幻の剣を探すという、ドラクエ3の王者の剣を思わせるネタも振りつつ、こうした、ジャンプ読者にはお馴染みな武術大会というイベントで引っ張る。
しかし、決勝トーナメントまで来て別の異変が起きる!
連載当時、本当にどうなるのかワクワクしていた記憶があります。知っているネタの続きかなと思ってある種、安心して追っていたら、全然違う話が飛んできた。
シナリオ上手いよなあ…。気が付いたら、我々は作者さんの手のひらの上でコロコロさせられていた、と。
『ダイ』は安心して転がしてもらえるストーリーなのは保証します。小学校の時、夏休みの活動ノートの表紙にダイくんを描いて、それでウン十年後の今でもまだこうして発見があるほどなのですから。