ダイの大冒険(新アニメ版)の終盤を見直していました。
漫画版をさらに膨らませたような細かな演出が光ります。
例えば、ポップがシャハルの鏡を使ったときの演出とか。
ポップがカイザーフェニックスを破る時の所作とか。
ゴメちゃんとダイの別れの会話も素晴らしかった。
ところで、この演出追加で一番嬉しかったのは、やっぱりエンディングシーンですね。
ポップたち、またはヒュンケルたちがそれぞれにどこを目指して旅立ったのかはちょっとわかりませんでしたが。
ポップは地図が必要でちょっとわかりにくい場所を目指していました。あれだけ世界中をトベルーラしたのに、まだまだ知らない土地があるみたいですね。また、ヒュンケルたちは地図なしで荒野を進んでいます。
この二組のパーティーは、多分、ダイをあらためて探す旅に出ているんだと思います。
だとすれば一番に疑われるのはやはり魔界。地上は散々探したでしょうし、ダイが生きて地上にいるなら、デルムリン島なり、パプニカなりにルーラで戻ってくるはずですから。
ダイがいるのは天界の可能性もありますが、空よりも地下の方がたどりつけそうですよね。
というわけで、ポップたちは魔界の入り口かもしれない「どこか」を目指しているのでしょう。
メルルが付いてきたのも、ポップへの恋心以外にもやはり占い師としてのカンが必要との判断でしょう。つまり多分、相当分かりにくいところにある。しかし、地図は手に入るような場所……とすれば、ロン・ベルク先生にある程度の場所を伺ったのではないでしょうか。彼は魔界出身ですから、魔界への入り口(もしかしたら旅の扉)がある場所を教えてくれたのかもしれません。
さて、もう一方のヒュンケルたちですが、ヒュンケルが地底魔城跡地の再探索を試みる可能性と、ラーハルトが魔界への道を案内する可能性の二つが考えられます。
地底魔城はヒュンケルにとっては庭のようなものです。フレイザードが死火山を噴火させて崩壊させてしまいましたが、かつてのハドラーの本拠地でもありました。もしかしたら、魔界への手がかりが何か残っているかもしれません。
また、ラーハルトは地上生まれの魔族(人間とのハーフ)でしたが、おそらくバランが魔界に行きヴェルザーと闘った折にはついて行ったはずです。なので、魔界の入り口はわかるため、地図は不要なのでしょう。
いずれにせよエイミさんが付いていってしまいましたが(パプニカの公務はいいんかな?)。こちらの道中も気になりますね。
他には、獣王遊撃隊メンバーズがデルムリン島に砦を構築しています。ゴメちゃんのレリーフを彫り込んでいるのはナイスな演出です。
実は、ダイが生まれる前からデルムリン島に魔物たちが集まっていたのには訳がありまして。ハドラーが魔王だった頃にブラス爺ちゃんが魔王軍幹部として魔物の養成をしていた土地なのです(この辺りはスピンオフ『勇者アバンと獄炎の魔王』にて)。
ブラス爺ちゃんはハドラーが敗れたあとも、魔物たちの平和な楽園となるよう、デルムリン島の面々をまとめていたんですね(この辺りも『獄炎』で語られています)。
しかし、実はデルムリン島にある洞窟は、魔界へとつながっているとも言われています(昔、パーフェクトブックで読みました)。パプニカ王家の儀式に使われたりしたのも、勇気を試す意味合いもありそうで、由縁のない話ではないのでしょう。
そのため、ここに魔物たちによるゲリラ部隊の砦を構築するのは非常に理にかなっていると考えられます。もしも魔界のモンスターがデルムリン島の深部から来襲したら、すぐに対応できます。なにしろここの主戦力はヒム、クロコダイン、チウがいますからね。チウも実はあれはあれで相当な実力者なんですよ。あの凸凹部隊をまとめた統率力は相当なものでしたし、魔界のモンスターも攻めてきたロロイの谷の決戦で生き残れたのはダテじゃないですよね。さらに、敵モンスターを味方に付けるというとんでもない才能もあります。アニメ版ではカットされましたが、原作では魔界のモンスターの2人(たぶんバアラック?)を入隊させていました。これをもしも魔界でやったら……?
それに、ブラス爺ちゃんも補給部隊担当だったとはいえ、旧魔王軍の幹部でした。キアリーなどの回復呪文が使えますし、メダパニやメラミも強力です。下手したら世界最強の部隊のひとつかもしれません。そんな彼らがここに駐屯するとすれば、相当な防衛になります。
さらに、デルムリン島を拠点に魔界への探索ができる可能性もあるわけです。そのためにも砦が必要なのかもしれません。
そのほかの可能性としては、演出はありませんでしたが、パプニカ、あるいはカール王国の精鋭で、あの破邪の洞窟の再探索を試みる可能性もあります。
聖なる地のはずの破邪の洞窟にモンスターが巣食う理由は、最深部が魔界に繋がっているからかもしれない、みたいなセリフがあったと思います。
この場合はレオナとアバン先生の出番になるのではないでしょうか。ただ、2人とも破邪呪文のエキスパートとはいえ世界を支えるVIPでもあります。そうそうこんな探索には出られないので、ポップやヒュンケルたちからの報告を待ってからの動きになるかもしれません。また、この洞窟の探索にも、やはり戦力は欲しいですからね。特にマァムとメルルには経験がありますから。
ちなみに、さきほどの予想でポップ隊やヒュンケル隊が破邪の洞窟に行くとは書きませんでしたが、それは二つ理由があります。ひとつは今さら地図なんか必要ないからです。マァムとメルルが場所を知っていますし、ポップも破邪の洞窟の側の拠点には居たわけなので。また、ヒュンケルたちが行ったところで、戦士は破邪呪文を身につけられるわけではないので、あまり効率が良くありません。どうせならダイを探すだけでなく、戦力アップもしたいところですからね。また、ヒュンケルたちは荒野を行きましたが、破邪の洞窟の辺りは森ですので、描写が合わないというのもあります。
ともあれ、これらのダイ捜索の指揮は、おそらくレオナ姫が取っていると思います。エンディングでレオナ姫が持っていた本は、そのための参考書かもしれません。例えばテランの書庫やアバン先生の実家で見つかった古文書とか。パプニカや世界の復興の仕事もあると思いますが、本当にお疲れ様なのですよ。本来、はっちゃけている姫様ですから息抜きも必要かなと思いますが……いつできるんでしょうねえ。
さて、その他の国の動きも考えてみましょう。
まずはカール王国。先代の勇者アバンがようやくフローラ様と結婚しました。世界最強のカール王国を彼が仕切るならば世界が人間同士の戦乱になるようなことはないでしょう。ロモス王国、パプニカ王国も文治政治を行うと考えられるでしょう。また、リンガイアも国を建て直すことになりますが、ノヴァが鍛冶屋修行に出たとはいえ、父のバウスン将軍ならきっと再興できるかと思います。
テランは相変わらず静かな国として安定していると思います。ただ、今回の戦乱で世界的に竜神信仰が復活したりして、少しは活気が出るかもしれませんね。例えば、ダイのことは直接知らなくても、噂を聞いて、彼の無事を祈ったり、彼のように強くなったり勇気を持ちたい、感謝を伝えたい、平和を祈りたい……そんな『純粋』な人たちが巡礼する、祈りの聖地として隆盛するかもしれません。
あとは商業王国ベンガーナ。あの王様も流石にもう懲りたみたいですね。とはいえ野心もまだまだあるでしょうから、おそらく世界を安定的に経済発展させることで自国の力を見せつけるような方向に行くのではないでしょうか。経済力での世界復興、ベンガーナ王の腕の見せ所です。
少なくとも、もうアルキード王国滅亡の時のような悲劇は起こらないでしょう。
さて、世界の心を一つにした勇者ダイ。魔界に行ったとしたら、なぜ彼は帰ってこられないのか?
その理由はおそらく、地上を守るためだと思います。魔界には冥竜王ヴェルザーの手勢がいるはずです。それに、地上では知られていない強者もいるでしょうし、バーンの残党もいるはずです。バーンはたくさん宮廷を構えていました。彼やナンバーツーのミストバーンらが滅びたとはいえ、それらの宮廷にいた魔族がバーンの志を継ぐ可能性は充分にあります。
また、マザードラゴンを滅ぼしたほどの『邪悪なちから』も気になりますね。なんの目的でマザードラゴンを討ったのか。ドラゴンの騎士を邪魔と思うその存在……。しかしヴェルザーではないはずです。彼は今は封じ込められています。また、バーンの残党でもないでしょう。それほどの力がある部下ならバーン様を助けに来たはずです。
魔族がただ魔界にいるだけならダイも放っておいたかもしれませんが、地上を害するようなら戦うしかないでしょう。その戦いの中で、ギガデインを覚えたりするかもしれませんね。
とりあえず私がざっくり考察できそうなことはこれくらい。本当に魔界編が連載されて欲しいものです。