記憶にしかない風景

展覧会で使う材料で、ペットボトルが浮上したため、友人の家に空きペットをもらいにいきました。その帰り、何となく懐かしくなって出身の小学校や中学校の界隈を自転車散歩。この辺りを走るのは、もう、10年ぶりとかそれくらいになるかと思います。
夜でしたが月が明るいため、わりと見通しが利きました。学校統廃合の波で名前が変わってしまいちょっと残念に思いつつも、校舎が変わったわけでもなかったことになんとなく安心感を持ってしまいました。結構電気が点いていて驚きました。中学校の体育館で何か練習をしている様子だったり。まだ部活でもやっているのかな?


しかし、近辺は宅地化が進み、無くなったお店等も多くありました。駄菓子屋さんが跡形も無くなり駐車場になっていたのはショッキング。まあ、いつつぶれてもおかしくないようなおんぼろのお店でしたが。
昔遊んだ児童遊園はそのままで、宇宙人型の遊具とかが懐かしかったけれど。その裏手に廻ったところにあった秘密の空き地は住宅になっていました。道路がいつの間にか通っていて、随分おしゃれな家々がありましたが……。木に囲まれた薄暗い場所に、怪しいほこらがあって、そこも隠れた遊び場だったのですが、いつの間にか無くなってしまった様子。密やかなる怪しい町角って、こうしてだんだん消えていくのでしょうか? それから、祀られていたお稲荷さんはどこへ行ってしまったのでしょうか……。


小学校には裏庭があって、そこでヘチマを育てたり、オタマジャクシの観察をした覚えがあります。裏庭への門は新しくなっていましたが、裏庭そのものは健在な様子でした。体育館倉庫、バスケットのゴール、アーバンコートなどなど、想い出いっぱい。ドッヂボールを投げて遊んだ事が、つい昨日の事のように思い出されます。体育館でやった習字大会、マーチングの練習。放送室の赤ランプも懐かしい。(放送委員だったわけではありませんが)


無くなってしまった場所については、特に写真もないので、本当に記憶にしか存在しないわけです。それに、今も残っている場所……中学の前のラーメン屋などは提灯まで変わってなくて懐かしかった……も、全く同じわけでもない。代替わりしているかもしれませんし。
世は無常という想いで帰途につきました。今あるものが、同じままなわけは無いのです。