パブリックベータ版、という姿勢に期待

開発とかプログラムやってるわけじゃないけど、技術系の話題は結構好きです。
私がIT系の話題に興味を持つようになった頃、アップル社がMac OS Xのパブリックベータ版を出しました。当時の報道によると、「30ドルで、アップル社のオンラインショップからCDの形で購入」して使うようになっていました。多言語環境は英・独・仏の三語をサポート。
当時、私はこのパブリックベータが動く環境を持っていなかったので、先んじて買った人たちが嬉々として(あるいは、ブツブツ文句を垂れながら?)Webやマック専門誌に掲載した記事を、ワクワクドキドキしながら読ませて頂いていました。この環境が数年後のMacの世界で一般的になっていくんだ、という期待と、今までの資産はどうなるんだろうという不安と。
でも、パブリックベータがリリースされて良かったことは、新しい技術にヴィヴィットな人たちは率先して試してアップルにレポートし(おかげでアップルメニューが復活しましたね)買わない(買えない)人たちも次世代の技術を知ったことです。


あれから5年。Mac OS Xはずいぶん普及しました。パブリックベータ的な試みはgoogle:パブリックベータの検索結果が示すように、日本でも色々なソフトウェアで行なわれるようになってきました。(Mac OS X以前はあまり耳慣れなかった気がしますけれど、それは私の気のせいかもしれません)この「消費者に試してもらえるベータ版」という考え方自体は、やはりインターネットがあったからこそ普及したんだと思います。興味があるソフトの次世代を好きな時間に試せて、そのバグレポートや率直な意見を好きな時間に送ることができる。
ちょっと前なら商品をモニターテストしてもらう、というコストが必要だったことが、ネットなら低いコストでもっと大規模にモニタリングできるわけです。
つまり、商品開発への市民参加というわけですね。この考え方が色々な業種に広まり、生産された後の変更よりもコストを下げて、使いやすくて地球に優しい商品開発につながるといいなあと思っています。


で、パブリックベータの将来を夢想してみました。(ジャンルの順不同)

  • タケコプターパブリックベータ
    • 体への付け具合によって落ちるとか、スピードが出ないとか、バッテリーが上がりやすいとかの声が出そう?
  • 地下鉄乗り換えルートパブリックベータ
    • 地下鉄の博物館に乗り換えルートのバーチャル歩行マシンみたいなのを置いて、都市設計上、どういうルートが乗り換えとして歩きやすそうか、お年寄りから赤ちゃんまで試してもらえる。
  • 漫画雑誌パブリックベータ
    • 新雑誌創設計画時、連載予定の漫画の8ページ分だけを集めた薄い冊子を作る。アンケートは熾烈になりそう?
  • 新作小説パブリックベータ
    • ライトノベルの新人賞での読者推薦部門がそれに当たるかもしれませんが。
  • おまつりの焼そばの新作パブリックベータ
    • 地域のおまつりで一番人気の屋台は多分焼そばだと思います。(根拠なき断定)で、屋台の花形がいつも定番だけではつまらないので、おまつりの前に人の集まりやすそうな場所でパブリックベータテスト販売をし、今年の新作焼そばとして出せそうな焼そばを試食してもらうわけです。(その場で人気投票してもらうかわりに安く出す)……書いていたらおなかがすいてきました。焼そば食べたい。
  • 新作インクジェット複合機パブリックベータ
    • これはどこかでやってるかもしれませんね。プリンタ+コピー+スキャナのマシンテスト。
  • 新作ウォーキングシューズのパブリックベータ
    • これもどこかでやっているかもしれませんね。靴の試作品テスト。実際に歩いてもらって使い勝手を確かめる。
  • 新作ティッシュペーパーのパブリックベータ
    • これもどこかでやっているかもしれませんね。ティッシュペーパーの試作品テスト。実際に鼻血を出してもらって使い勝手を確かめる。
  • 新作もうやめたのパブリックベータ
    • これはどこでもやっていないでしょう。だってこの原稿これで終わりだから。実際に書くのをやめてもらって読後感を確かめる。


おしまい。
(ネタ切れとはいわない)

追記

はてなダイアリーのヘルプ協力者募集に応募して参加してます。これもある意味、ヘルプのパブリックベータといえそうですね。