トロンボーンの練習を再開。長い長いブランクがありますから、できるだけ効率よく練習したいものです。
さて、当然のことながら、楽器演奏は体が資本です。いくらいい楽器を使っていても、悪い姿勢で吹いていたら、体にも良くないし、楽器にも変なクセがつくし、もちろん、いい音も出ません。
それくらいのことは、誰でも知ってる……と思います。
でも、いい姿勢ってなんでしょう?
背筋をピッと伸ばすこと? 真ん中に楽器を構えること? 緊張すること?
そうじゃなくて、いい姿勢というのは、「体自身が知っているもっとも自然な姿勢」のはず。
姿勢、というのは、楽器の持ち方ということだけでなく、首を楽にすること、指や肩の使い方、足の姿勢、すべてのこと。
でも、体の作りをきちんと把握して、適切に体を使って演奏している人って、それほどはいないんじゃないかなあと。この、「自分の脳みその中に、自分の体の作りを把握した正しい地図を描く」ことが、演奏の上でも重要です。
その辺りを解説したマニュアルがこちら。今回、最短期間で復調するために目下研究中です。
音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと―アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング
- 作者: バーバラ・コナブル,ベンジャミン・コナブル,片桐ユズル,小野ひとみ
- 出版社/メーカー: 誠信書房
- 発売日: 2001/01/01
- メディア: 単行本
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図解だらけで、イメージを確実に養うデザインになっています。また、文章も極めてポジティブ。ここまで読み手をホメちぎる本を、私はかつて見たことがありません。
まだきちんと読めていませんが、54ページ「肩甲骨」の解説は目から鱗が落ちました。
トロンボーンって、右腕を伸ばしてスライドの位置を決める楽器です。だから、腕の短い日本人には結構不向きだとも思われがち。
しかし、この本で、腕の長さが伸びているわけじゃなくて*1、肩甲骨が前に動いて腕を押してスライドを前に出していることが分かりました。「肩甲骨は筋肉だけで骨格につながって*2」いますので、その動きを確認して、肩をきちんと使えば……一番遠い第7ポジションにも届いてしまいました!
中学の時にあきらめてた、ストレートの第7ポジションを掴む能力は、自分の身体がもともと持っていた!
腕が短いから絶対無理だと思ってたけど、それって単なる思い込みだった!
これで、状況に合わせてF管と普通の奏法を使い分けることが、私にもできるんです!
この「自分の身体に対する間違った思い込み」が、悪い姿勢、無理な姿勢につながるわけです。そして音も悪くなれば身体も壊れる、と。それは愚かなことですね。
様々な楽器のさまざまなシチュエーションを想定して書かれていますので、どんな楽器の人にもお勧めできます。
バイオリンも声楽も、もちろんトロンボーンも、身体は楽器の一部です。構造を知れば、もっと使い方がうまくなりますよ。