CAC受講の感想1:まず中身から入れ!

CACコピーライター養成講座で習ったことでは、たくさん印象深いものがあります。
自分はいかに、形ばかり気にしていたかが本当に良く分かりました。まだまだ商業レベルになっていないのだから、まずは『何を言うか』が大切で、『どう言うか』はあとあとで考えればいい。


たとえば、ここに1個のリンゴがあるとします。これに、何がしかのコピーをつけて、売るとしたら。リンゴをいろいろな言葉で語ってみることから始めなくてはいけないのでしょう。


おいしい。新鮮でみずみずしい。秋だなあと思う。こどものほっぺみたいに赤い。果物ナイフで皮を剥けたら器用さに自信を持っていい(ちなみに私は剥けるけど中身と皮が同じくらいになってしまいます^^;)。病気見舞いの必需品。かじって血が出たら歯医者へ行け。毎朝食べると医者が要らないって話を聞いたことがある。つるつるすべすべ。いろっぽい。芯に種がある。ニュートンのお友達。青森県。パイにすると絶品。マクドナルドで100円のお菓子。カレーに入れると意外に美味。風邪で熱を出したときの特効薬(?)。台風で落ちなかったリンゴを食べると志望校に合格するらしい。ビタミンたっぷり。食物繊維もたっぷり。ゾウさんの好物。ゴリラさんも好物。とりあえずあるなら食べとけば損は無い。甘い。バナナと一緒にしておくとどっちも傷まないらしい。さわやか。漫画で頭上から落ちてきてぶつかるってギャグではリンゴが定番だったりするかもしれない。リンゴ酢はうまい。ピザにいれてもおいしい。天然の缶ジュース。初恋ってこんな感じの味がする。紅茶に合う。これを握りつぶせたらものすごい握力の証明。夜食にお弁当に朝ごはんに活躍する主婦の味方。豆腐と和えるとさわやか系のサラダになる。うるさい子どもを黙らせるにはリンゴを与えるといい。っていうか今食べたい……おなかすいたなあ。


まあ、こんな風に書いてみて。
あとはクリエイティブブリーフとかマーケティング的なことをやって、競合商品とかと比較して売れる点をピックアップし、商品に消費者が求めることや本音を考えて、広告でPRしたいポイントをたくさん出して。商品から思いついたことをそういった観点でアレンジしていく。


言葉遣いはまだまだ普通の言い方が一番いい。そんなことで酔うよりは、中身の充実の方が先だし、競合商品の見つけ方も学ばなくてはいけないんだろうね。
リンゴの競合商品はミカンだからなあ。たぶん。ミカンに対するリンゴの優位性って何だろう。
赤いものが好きな人におすすめ。皮を剥いてしまえば食べやすい。水分が弾けないので洋服を汚さずに食べられる。唇が荒れていても沁みない。栄養成分上の優位点も色々ありそう(調べてみたら面白そう)。


……なんか話がズレてきた。リンゴやミカンを語るために書いているんじゃないんだったっけ。


さて。商業コピーライティングの技術を、自分自身のコンテンツに活用するために通学していたわけですが。CACを修了してこれからどうするか。

  1. 授業ノートをまとめ直し、自分用の体系化されたコンテンツとしてモバイル&脳みそに入れておく。
  2. 自分の課題作例を作り直してみる。
    • たぶん、4月5月くらいの作品は、今見るとアイタタ……なんだろうな。
  3. グラフィカルなことも含めて、じぶんなりに作品集にしておく。
    • DTPとデザインの基礎知識はあるわけだし。
    • クリップアートの利用や既存のデザインの流用でも構わないと思う。重要なのはコピーだし、とりあえず私家版でしかないからね。
  4. 宣伝会議賞で腕試し。10月末締め切り。
    • せっかくだから、受講料の元を取れそうなことを始めてみよう。公募系で17万円近く稼ぐって結構大変だけど……やってみる価値はありそうだ。


で、ところで、Yunyくん?
キミはコピーライターになりたいのかね?
コンテンツって、何をしたいのかね?


答えが出そうで出なさそうなのは、なぜなんだろう。
終わってしまえば短かったニート時代も、このことは問い続けてきたんだけれど。


吹奏楽は大好きだし(昨日のNHK教育芸術劇場でギャルドとTKWOやってて感激した……途中で寝ちゃったけど^^;)。
パソコンを使えない人を助けるのも大好きだし(せっかく勉強したから資格を取ったけど)。
日本語も大好きだし(だからコピーライター講座に通ったんだけど)。
最近ちゃんとやってないけど、作曲や写真、映像、ゲームやらのマルチメディアも、自分なりに楽しむのはスキだ。見るのも作るのも。あ、でも、最近映画見てないなー。


どうやるかのノウハウは結構溜まったんだけど。
何をやるかを考えることからずーっと逃げていた。
だから、私のコピーは、何をやるかの選択肢が少なくて、同じ切り口で10本も100本も書いてばかりいた。それだけじゃダメなんだよっ!
昨日の補講でそのことをはっきりと自覚した。うすうすは分かっていたんだけれど。


昨日の補講って、まあ、CAC講座をみんなにPRするポスターか何かを作るとして、そのキャッチコピーを考えてくださいっていうような課題だったんだけど。
自分が8月に提出したのは、結局、コピーライター講座についてだけだった。コピーとか言葉とか、そういうものについてしか書いていなかった。


帰る道々考えたんだけど。CAC東京講座にあるものって、それだけか?
たとえば、自分が半年通って、何が変わったんだろう?
表参道が怖くなくなったり。
こどもの城周辺や渋谷と青山に少し詳しくなったり。
次世代の友達が出来たり。
講師の皆さんが面白かったり面白くなかったり。
人のコピーを見て金槌で頭を殴られたような気分になってみたり。
広告界を目指す学生さんの雰囲気を見て今の大学教育について考えてみたり。
いろんな文具を使ってみたり。
マインドマップで授業ノートを作ってみるトレーニングになったり。
週2回通うことで自分なりの楽しみが見つかったり。
ただの鉛筆がものすごい目標になったり。
広告界で食べている人の考え方が刺激的だったり。むしろ反発を覚えてみたり。
商業ビジネスの中で生きていく言葉と自分が作りたい言葉の共通点とギャップについて考えてみたり。
ポスターやコマーシャルをじっくり見る習慣が付いたり。逆に一般人はそういうのをあまり見ない現状について考えてみたり。
「メイク魂に火をつけろ」とか「一瞬も一生も美しく」とか「ボス、飲む」って言い切っちゃうことの思い切りの良さを尊敬してみたり。
人と話すことが少し怖くなくなったり。自作品発表で人前で話すことが面白かったことに気が付き直したり。
カンヌ広告賞ってすごいんだねえって知ったり。
四大広告メディアとWebの世界との共通点とギャップに思いをはせてみたり。
自分の中の中身の無さを知って自己嫌悪したり。
授業中に机の上に置くお茶は「おーいお茶」と「伊右衛門」「生茶」と「十六茶」と「爽健美茶」とかと、むしろノーブランド的なお茶と、その他ソフトドリンクのどれが今日の気分なのか会場付近のコンビニや自動販売機前で考え込んでみたり。
ともかく眠らずにいるために最前列で2時間ノートを取りまくっていたので講師の方々の視線に負けない度胸と根性が磨けたっていうのはあったり。
結構目立ちたがり屋だって自分を見つけたり。
言葉が自分だっていう実感を悪くもよくも見出したり。
コピーライター諸氏のある意味でのカッコの悪さを尊敬してみたり。
書くことの勇気をいただいたり。
いろんな方のサインをいただいたり握手していただいたり。広告界の有名人って存在すら知らなかったから本当にうれしかったり。
駄洒落コピー帝王な眞木準さん(「でっかいどお。北海道」などの作者)の駄洒落がどこまで計算されているのかなんとなく知ってみたり。駄洒落コピーって難しいんです。落としどころを間違えると天井からタライが落ちてきても仕方が無いよね。


……たくさんの思い出と成果があったから。そこを考えなくちゃ、CACのコピーなんて作れないよね。まったくそこまで考えて無かった私はおろかものだっ!


で、結局、何をしたいんだろう、わたし。話はそこに戻っちゃう。


マルチメディア関係についてなら、得意分野もあるし、基礎知識卒業程度までなら人に教える度量もある。
コピーはまだまだぜんぜんだけど、書く方法論や、何をやらなくてはいけないか、道のりとかは理解したと思う。少なくとも、上野から福島に行くのに東海道線に乗るようなバカはしない、ちゃんと常磐線に乗るとかそういうことならば。
でも、広告業界でコピーを書くような仕事をしたいわけじゃない。それは自分の考えとはずれているのもはっきりしていて。
でも、日本語を書くことや、何かを言葉で提示することは一生続くのだろうから、講座に通ったわけであって……。


とりあえず、ここまでをアップしておきます。公開したら、気持ちも落ち着くし、見えてくる何かがあるだろう……。