あるミミズは、重金属を食料にする。

イギリスの鉱区の土壌から、重金属をえさにして生きているミミズが発見されたそうです。
これを進化と見るか、危機化と見るか、退化と見るかは人によるでしょう。
じゃ、ミミズくんの気持ちになって考えてみます。
この辺の地区が鉱山としておお賑わいだったのは、産業革命とかの頃でしょうか、たぶん。今まではなかった成分が、自分たちのおうちや食卓(土)に混ざってくるようになりました。


ミミズ「うぎゃあ、こんな苦そうなもの、食べられないよ〜〜〜(涙)」


そのうち、その「苦そうなもの」が、だんだん増えてきてしまいました。人間がなにかごそごそやって、土の深い深いところからそのたくさんの「苦そうなもの」を持ち出していたので、おこぼれがふえてきてしまったんですね。いつもの「おいしいもの」(葉っぱとか)にも、「苦そうなもの」が混ざってきてしまいました。


ミミズ「苦そうだけど、食べるしかなさそうだよ〜〜〜!(涙)」


食べてしまって、その「苦味」のせいで死んでしまう仲間もいたかもしれません。でも、そのうち、その「苦そうなもの」、というか、「苦いもの」の苦味について……。


新ミミズ「苦いっていうか、これはこれで珍味じゃないかなあ。うまいっ♪」


と、おいしそうに食べてしまう変種のあたらしいミミズ君がちらほら出てくるようになりました。
そして、いまや、その地域の土の中では、「珍味」が当たり前になっていってしまったようです。そして、それを「珍味」というか、「主食」と出来たのは、新ミミズ君の仲間たちだけ。他のミミズ君たちは生きていけなくなって、死んでしまったのでしょう。


……ま、こんなところかな。童話風に書くと。科学的にはぜんぜん検証していませんが……ニュース一本から想像するに。でも、たとえ想像でも書き起こしてみると、生命の進化って、のんきだけどすごいということが分かってきます。環境適応ってこういうことなのかも。
遠い未来に地球上から人間が退去するなり、滅亡するなりした後、次の世代の地球の王(というのかな?)は、光合成が出来るエコな知的生命体ではないかと勝手に思っていましたが、その前に人間が汚染した地球を浄化する浄化生命体の時代が来るのかもしれません。生命は生きなくてはいけないから。こうなってくると、核物質やらカドミウムやらの有毒な鉱物も好物にしてしまう新生命体も出てくるかも。


今は酸素が生命の必須物質ですが、大昔の生命は酸素がない環境で生きていたといいます。そして、突然変異、まさしくアクシデントのように、酸素を生む生命と、酸素を使って生きる生命が生まれたとされています。そのとき、旧世代の酸素がない環境でしか生きられない種は、滅亡していきました。彼らには酸素は「毒」だったから。もし自分が、その酸素を害とする生命体だったら? 当時の「エコ」は酸素を何とかしてなくすことだったのかもしれません。
同じように、今の人間は地球を汚染していますが、汚染物質を何かの方法で有益に利用できるように、生命の側が進化してしまうことが起こりうるんですね。
強い紫外線がないと生きられない生命体とか、あるのかもしれない。


毒ってなんだろう。エコってなんだろう。