私立大学の臨時職員契約の経験について

FAX等で大学からの控訴を断念させる手段がいいかどうかは別として……。このようなケース、結構他の大学でもあるかもしれない……。ある大学で「3年近く派遣労働者として継続して勤務した後、直接雇用形態で有期契約を3回更新したのち、解雇を言い渡されていた」というケースで、東京地裁で解雇無効判決が出たようです。
「3年を超えて継続勤務した労働者に対しては、法律上、直接雇用の申し込み義務が生じる」というこのことから、昔の自分のケースを思い出しました。
今の職場に就職する前の私立大学(付属短大)での話ですが。


私立大学という職場でのスタッフは、何も正規の職員さんだけではなく、大学が直接雇用するパターンの非常勤職員さんや臨時職員さんなど、いろいろなパターンがあるんです。学生さんから見れば、みんな職員さんなんですけれども。それから、派遣会社に依頼して、大学で働くという条件に合う人を派遣してもらう場合もあります。これはその大学と直接関係がある人材派遣会社を経由する場合や、わりと一般的に名前を聞くような派遣会社にお願いする場合まで、いろいろだと思います。


で、大学が直接雇用する臨時職員などの非正規職員契約の場合は、最長でも3年までしか更新してはいけない。そのあとも雇用したいのであれば、通常の職員採用とすること。これ、黄金ルールのはずですが……実は、自分自身の場合も、非常勤臨時職員契約で5年間働いていました(今の仕事場とは全く無関係の、違う私立大学、というか、短大の話ですが。つまり、自分の場合はこの話はもうすでに終わった話です。それを念頭において以下をお読みください。今の職場は前の学校の紹介とかではなくハローワークで見つかった職場なので)。


どうなっていたかというと、最初の3年は契約更新、そのあとの2年間は前期終了後いったん契約を切り、後期から再契約、また後期終了後に契約を切り……といった感じ。ブツ切れの非常勤臨時職員契約。更新じゃなくて。転職も考えましたけれども、人手不足を痛感していたし。ちゃんと雇用してもらうルートを使いたくても、そのルートで今の校舎に就職できるか全く分からなかったし。人材派遣会社とも折り合いがつかず。
あと、大学の非正規職員の場合は、昇給が無いことが多いかもしれません(大学により異なりますが、自分の場合は5年間ずっと某ハンバーガー屋の初期時給程度で5年間働いていました。ハンバーガー屋さんの場合は、長く働くと時給を上げてもらえたり、アルバイトでも昇進したりしますけれど、私の職場ではそういうことはなかったわけです)。


今でも思うのですが、当時も学問の場でのシゴトにはものすごくやりがいを感じていたので、契約と待遇がもっと柔軟にどうにかなるような場所だったら良かったのになあ……と。教育関係職って、面白いと思うヒトには非常に魅力的な場所なんですよ。
自分の場合は違法性を労働基準監督署に訴える等のことはしませんでしたが(働きにくくなる可能性が怖かったし、仲のいい先生も多かったので、個人的にはあんまり事務方とももめたくなかった。先生方から交渉していただいたことは結構あったんですが……今思うと、労基に相談に行くくらいのことはしても良かったかもしれませんが。もっと具体的に動いて待遇改善を自分の手でおこなわなければ、組織を変えることなどできないなあと)。大学の人材採用部署って、現場の話を聞いてくれない場合もあるので、もしも大学臨時職員という選択をした場合は他でツブシが効くように、常に自主的な勉強をする姿勢が大事になると思いますよ。幸い、うまくつながれれば大学の先生に質問等も出来たりしなくもないので……これは先生次第だったりしますけれども。


ともかく……大学を臨時職員として職場に選ぶのは、せいぜい2年までだと腹をくくった方がいいと思います。その間に資格を取るなりして転職準備をした方がいいでしょう。特に、今年あたりは就職浪人回避のために大学臨時職員というシゴトを選ぶ人も結構出てきそうですが……合法なリミットは3年であることは、覚えておいた方がいいと思います。まあ、業務内容以外にも、学食や大学の図書館が使えたり、雇用保険にはたいてい入ってくれているでしょうし、ソフトウェアのアカデミックパックを購入できたりするのはかなり魅力的ですけれどね。一般企業と異なり、自分へのリターンの高い将来性はその職場自身にはあまり無いかもしれません。まあ、それぞれの大学次第ではあるのですが……。
うまく使われちゃうと、自分が損をしてしまうので、シゴトはきちんとするにしても、最低限、契約は契約として、ちゃんとされるべきだと思います。