センター試験に思うこと

センター試験が今年も無事(?)におこなわれたようだ。
現役当時のセンター試験は、5教科9科目全部受けた。とか書くと国公立志望だったのかと……。
そんなことはなく、せっかく日本で一番頭がいい人が集まる東京大学なんぞでセンター試験を受けられるのだから、気分だけ東大生になってみたかったという、かなりのんきな理由だった。3科目以上であれば何科目受けても受験料は変わらないのだし。会場は細かくは覚えていないが、理系の学部の校舎だった印象がある。
当時から少しずつ公立高校の教育にもパソコンも導入されつつあり、数学ではプログラミング関係問題だけは満点だったのを覚えている。ちなみに、自分の受験には数学は不要だったのだが。


それにしても、一般的な大学の受験勉強それ自体は、本当に面白くなかった。勉強は好きでも、受験勉強はあまり好きではなかった。やらされている感覚がどうにもモチベーションを下げてしまっていた。
当時の得意科目は国語(現代文)・数学(コンピュータ数学)・社会科(現代社会・倫理)・理科(化学と生物と物理の電子系分野)とあと音楽だった。趣味に走っているなあと思う。暗記するもの、数そのものを問題とするような分野(歴史学・地理・政治経済・地学・物理の力学的分野・一般的な数学全部・受験としての語学)は今でも試験としては苦手だ。読み物としては好きなのだが。
実験して変幻があるようなものや、物語性のあるもの、論理を追求するものがわりと好きだった。


多感で好奇心旺盛なティーンズ世代。でも細かい適性を問わずにムリヤリ理系と文系に分けて、大学の入り口でそれの出来・不出来を問う今のシステムは、どうにも自分に合わないものを感じていた。高校では、公立普通科とはいえ文系・理系のないカリキュラムだったので、成績はかなり下の方だったが授業は楽しかった。1・2年生のときに理系も文系もなく全教科を履修し、3年生では大学のように授業を自由に選択して必修は体育だけという高校だった。
だから、自分の中で受験と授業がつながっていかなかった。友人たちは予備校に通ったりして大学受験に備えていたようだったが。
いまならマルチメディアやコンピュータ系に強い高校・大学が増えてきたので、たぶんそういったところに進学したかもしれない。当時はまだまだコンピュータの高校=情報処理や会計、だったのだ。自分はたぶん、時代に対して10年早く生まれすぎたのだろう。適性を活かせる進路を見つけられなかった当時の自分は、未熟者だったと深く反省もするのだけれど。


今年の受験生は、数ヶ月で変わってしまった時代の雰囲気のあおりを受けて、直前で進路変更を迫られた人も多いことだろう。でも、最後まであきらめないで欲しいと思う。
願わくば、1人でも多くの学生さんが、自分の納得の行く進路を掴めますように。