『知肉』になるヘルプドキュメントとは?

日曜日にお仕事ネタ日記ですが、まあ、たまには。
今日はいいお天気なので、昼寝して充電してました。ぐうぐう。
で、スッキリした頭で考え事。


4月からの新入生準備の意味もあり、最近、シゴト(都内某大学のパソコン教室サポート)ではドキュメントの整備作業が真っ盛りです。
春休みにうちの教室に来る学生さんは、だいたい就職活動の資料印刷がメイン目的のようで、いつものような質問はありませんが。
4月が大学のシゴトは一番忙しいのかもしれないですね。いろいろ言い方はあるんですけどね、入試シーズンが忙しいとか、いや、年度末が忙しいとか。
学生さんが暇な時期に裏方は結構忙しくしてたりするんです。それもまた、楽しいです。


ま、それはさておき、現在整備中の各種ガイドブック。
パソコンを勉強したい学生さんの一助となるべく、スタッフの間で話し合っていろいろと準備しています。
作業自体は1月くらいから開始しているんですが、普段の業務もありますし。ようやく春休みで最後の段階に来て、今が一番WinodwsやWordとお友達の時期なわけで。


それにしても、どういうガイドブックならば学生さんの『知肉』*1になってくれるんだろう? と、頭をひねり続ける日々です。
かなり参考になるのが、インプレスの『できる』シリーズ。あれはすごい。
ここ押して、次にここ押して、んでここを押せばできる、に特化しているPC参考書ですが、あれはサポートドキュメントのひとつの完成形だと思います。
いまのところ、ああいうような、分からなかったヒトがとりあえずそこそこ出来るようになれるのを目標としているガイドブックを目指しています。これはこれで非常に大切なことだと思います。


ただ、難点もあって。『できる』式のようなやりかただと応用が効くのかどうか?
言われた通りにしたら出来たけど、それ以上のことはできるようになれるのか?


うちの業務ではそこまで踏み込んだドキュメントを準備することはしていないし、時間的にも能力的にも金銭的な意味合い(?)でもリソースがたりないとはいえ(授業そのものになってしまう所は各先生の教育業務の部分なので、スタッフの領域ではないというか)。


あと、自分の経験上、あとは自分で勉強するしか無い部分だから、将来への必要を感じたりパソコンが好きだったりするヒトが勉強して自分なりに知肉にしていくべきことだ、というのもそうなんですけど。
個人的には、読んだら知肉もついちゃうようなドキュメントのあり方もアリかなあ、とかいろいろ考えています。


ユーザインターフェイスが読めるようになると、どんなOSでもある程度使えるようになってくると思うんです。
私の場合、Mac OS(というか、当時は漢字Talk)がなんで分かりやすいのかに興味を持って、自分なりにあちこち(それこそ画面のウインドウを閉じたり開いたりとか、Finderで遊ぶというか。アイコンを変えてみたりとか。)いじっていた時期があって。大学の頃ですね。まあ、システムリソースの部分をResEditでいじくり倒すとか、HUI*2を英文で読んでみるとかはやらなかったんですが。
こういう観点は、じつはあんまり一般的ではないらしいんですが。ユーザインターフェイスからパソコンの学び方を考えるっていうのは。
でも、なんで分かりやすいのかをゆっくり考えてみたことが一度でもあれば、WordやExcel、Webが出来ればそれでいい、という段階以上のユーザになれて楽しいんだけどな。どう出来ているのかを見抜くと、知らないソフトでもそこそこ使えるようになったりするし。


Mac OS 9がXになったときについて行けることとか。
Windows 98がXPになって、さらにVistaになってもついて行けることとか。
Microsoft Officeにしても変革を続けているし(リボンインターフェイスで苦労しているユーザは多い)。


インターフェイスパターンから入るパソコンの学び方もありなんじゃないかなあ……と、考え続けてはいるんです。
今はWebがある意味でアプリケーションそのものになりつつあって。
そうなると、厳密にユーザインターフェイスガイドラインをつくってサードパーティにもある程度は守らせていたAppleMicrosoftのようなやり方は通用しない。
Webなんて、百人クリエータが居たら百通りのユーザインターフェイスがあって当たり前ですもの。


思考停止をしないよう、水泳とかお昼寝で充電しつつ、このインターフェイス百花繚乱大氾濫時代を生き延びるITスキルとは何かを考え続けているのではありました。
こういう時代を生きて行けるITユーザを輩出するのも、大学の使命だと思うんだけどなあ。

*1:ちにく。My造語。知識という意味を超えて、自分の体の一部のような智慧というかな。大学という場所では、サークル活動とかを通じてたくさんの友人を作るのはもちろんのこと、しっかりと知肉をたくさん付けて欲しいと願っています。個人的に。もちろん語源は血肉です。

*2:"Human Interface Guidelines"という、AppleMac OSのユーザインターフェイスをどう設計しているかのガイドブック。これのサマリー的な記事はたまにMac FanとかのMac雑誌に掲載されていて読んだことがある。