(Apple Store Ginzaの店舗出入り口前の献花の山。2011年10月5日木曜日夜八時半撮影、Photoshopで白黒加工)
え……。
そういえば、今月号のMacFanの表紙は……。
Mac Fan (マックファン) 2011年 11月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2011/09/29
- メディア: 雑誌
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もちろん、会長職に就任したことを受けてのものなんですけど(発売日は2011年09月29日)。
ありがとう、スティーブ・ジョブズ先生。
あなたがいなければ、私自身は今の仕事(大学IT教育のサポート)をしていませんでした。
先生は、パソコンの使い方をMac OSそのものを通して教えて下さいました。
大学生時代に漢字Talk 7.5.3の仕組みを調べ、システムフォルダをカスタマイズしていくうちに、いつのまにか学内で人に教えられるレベルになっていました。
*1
この経験は後にWindowsも使うときになって非常に役に立ちました。違うOSとはいえ、基本的な形は似ていましたから。
その当時は先生はネクスト社を立ち上げてAppleからは離れておられましたが、いうまでもなく漢字Talkのオリジナル、最初のMac OSとMacintoshのコンセプトを作り上げられたのは先生です。使いやすいOSに、美しいフォント、そして印刷環境までをフルパックで提供し、コンピュータできれいなデザインができるという世界。DTPそのものの考え方は、Macから生まれましたね。たくさんの書籍が、雑誌が、効率的に制作できるようになり、やがてその成果はWeb、音楽、映像といったさまざまなメディア業界に波及しました。
そして、ネクスト社で得た成果を持ってAppleに復帰し、かのiMacボンダイブルーモデル、そしてMac OS Xに結実。
CPUの敷居すら将来的に越えるために、最初のMac OS XからPowerPCだけではなくIntel CPU向けのコードを開発していたという用意周到さ。Mac OS X10.0がリリースされて5年後に、エミュレータではなくネイティブコードで構築されたIntel版Mac OS Xがリリースされたときの衝撃は、今でもはっきり覚えています。
ドッグイヤーなコンピュータの世界で5年計画を立てることの難しさは、想像するに余りあります。なぜあんなことが可能だったのか、あんな先見の明があったのか、理解できる人は多くはないでしょう。時代を作るというのは、こういうことなのかもしれません。
それに、たった二人のApple社員による調査から始まった、音楽業界の革新……iPodとiTunes。
音楽業界だけではなく、通信業界にまで革命を起こし、確実に世界は変わりました。
私は、日本の某大学の教育現場でこの5年間を見てきました。
入学時にパーソナルコンピュータを使える学生数は、実感としては倍増なんてレベルではなく、実は乗算できるのではないかという勢いです。
学生から寄せられる質問や要望も様変わりし、ハイレベルになりました。
5年前には毎日のように、学内の無線LANへの接続方法を質問されるなんてありえませんでした。その機器はたいていがiPhone、ないしはiPadやMacBookシリーズ、そしてたまにWindowsのノートパソコンです。*2
そう、ハイティーンの誰もが、ポケットの中に世界への窓口を持つ時代になったのです。
先生のことは、20世紀末〜21世紀初頭の世界への稀有な貢献者として、世界中の人間が記憶にとどめることでしょう。
先生がノーベル賞を受賞しておられない*3のが不思議なくらいです。
ノーベル賞レベルの研究を支えた情報システムも、もしかしたらApple Macintoshが支えていたかもしれない。
先生からは……Macintoshからは、まだまだ多くのことを学ばなくてはなりません。
最近、温故知新のためにエミュレータでMac OS 9を使っていますが、パーソナルコンピュータの仕組みをこんなに分かりやすくしてくださったことには感謝の言葉しかありません。
自分にできることで、少しでも世界を良くしようとおもいます。せめてもの、ご恩返しとして……。
どうかごゆっくり、おやすみください。
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