Boot Campについて


いやはや、Windows vistaまで正式対応は無理なんじゃないかという噂もあったintel macでのwindows boot。まさかApple自身がWindows XPをインストールするための土台をきっちり造ってくれるとは思いもしませんでした。(当然、Windows XPのhomeかprofesionalは自前で買っておく必要はあるんだそうですけれども。SP2のみ対応なのでそこのところ要注意)


さて、早くもインストールレポートが出ています。

このテストに依ると、ドライバ廻りでまだまだ不足があるという問題や、Mac OSとして使いながらWindowsを使うわけではない(だからヴァーチャルPCとかとはおもむきが異なる)ことが指摘されています。しかし一方では現行バージョンのPhotoshopMac版をRosetta変換利用するよりも、Windows版のPhotoshopBoot Campwindows上で使った方が効率が良かったということが報告されています。
更に具体的なレポートはこちらです。


考えように依ってはAppleが創ったWindowsマシンみたいな感覚で使うことも出来そうな気もしますね。コスト的な問題や安全性、互換性、ライセンスなど、これから解決されなくては行けないことがまだまだ色々ありそうですが、可能性を切り開いたことは一人のMacファンとして素直に歓迎したいと思います。


それにしても、昔からWindowsMacを行き来しながらパソコンを使っていくことが多かったので、この発表はかなり感慨深い物があります。その昔、windows用のフロッピーやMOはMacで読めたという仕様でかなり助かった(WindowsMacのディスクは読めなかったので不便だった)こととか。Windowsのファイル共有に参加できることとか……。昔からMacは割とWindowsとの共有利用に気を遣っているマシンでした。


それで思い出したのがCHRP計画。もう10年近く前の話になりますが……。

結局は1997年に頓挫したのですが、CHRPではPowerPC上でマルチOSブートマシンが開発されるはずでした。Mac OSとかWindows NTとかが動くマシンとしてリリースされるはずでしたが、結局は相次ぐ各社の撤退で、Mac OS互換機のプラットフォームに成り下がったそうでした。(互換機路線もジョブズの復帰とともに中止されましたね)


でも、Boot Campとは、ある意味で、10年の回り道でCHRPが結実した、そんな気がします。
現在のように圧倒的多数がWindowsになっていったのも、元はと言えばWindows 95がブレイクしたからで、WindowsのUIデザインにMacの影響が様々に見て取れますし。
Mac OS Xの源流はOPENSTEPですし、それはそもそもAppleを追い出されてしまったジョブズの創作精神が生んだものでした。そして彼はMac OS Xを準備するにあたって、Intelマシンで動くテストも最初から行っていたようですし。(Dog Yearなパソコン業界で5年越しの用意周到をやれる度量のある企業は、多くはないのではないでしょうか)


流れを良く見直してみると、パソコンの流れを創ったのはやはりアップルであり、ジョブズである、と改めて感じるところです。


Windowsでパソコンの経験をしたユーザに、もっとフレンドリーで、もっとセキュアで、現リソースを活用できる環境としてMac miniを提供し。今度はMacマシン上でWindowsすら動かしてしまう。AppleiPod以来、境界線がない企業に成長したのかもしれません。
OSを選び使うことってなんなのだろう。パソコンを使うコト=Windowsを使うこと、では断じて無い時代になりつつあるのでしょう。Boot Campがパソコンの主流になることはおそらく無いとは思いますが、このリリースは業界への、そしてユーザーへの大きな問いかけでもあるように思えてなりません。