初音ミクと冨田勲先生のコンサートを聴いてきました

東京オペラシティコンサートホールで開催された、冨田勲先生の作品にあの初音ミクさんが登場して宮沢賢治の世界を表現した交響曲を演奏するコンサート『イーハトーヴ交響曲』、を聴いてきました。

公式さんがインターネット中継のアーカイブを公開してくれているみたいです。
スライダーを28分56秒あたりにすると始まります。

あと、演奏会の後にやっていた、裏話トーク番組のtogetter。
http://togetter.com/li/411865



会場の物販(今回のオリジナル初音ミクグッズ)は長蛇の列……。
別エリアでやっていた冨田先生のCD物販で1作品を買いました(源氏物語の方)。
こういうのって、勢いがつかないと買わないからなあ。

私の席は右手の端の席なので、舞台の上手側があまり見えませんでした。
トロンボーンが見えない位置だったのがちょっと残念ではありました。
さて。最初に山田洋次作品の曲から入りました。
山田監督も会場に来られていたそうです。
トークタイムで紹介あり……。座席位置的に拝見できず……。
またトークでは、冨田先生のコメントで、初音ミクを使うことになった動機として、宮沢賢治作品の四次元のような異質な感じにつながる声といったイメージを上げておられました。
多少は無機質というのかなあ。

それから、ジャングル大帝勝海舟のテーマ。
ある意味で血が騒ぐような雄大さがあって、でも、どこか日本的な響きがしますね。


混声合唱隊に児童合唱までついてきて。
イーハトーブが始まりました。
最初から気になっていたことで、会場のパイプオルガンの前に大きな透明な板が置かれていました。
やっぱりあそこに初音ミクを映すのかな、と思っていたら。
ミク登場、実際そうでした。投影している感じがしなかったので、多分、透明なテレビ画面のようなもので直接光を発していたのでは?
今までのミクさんのコンサートでは、比較的投影する形にしていたらしいので、珍しい形かも? 詳しくないので分かりませんが。
あらかじめプログラムされた通りに歌うのではなく、指揮者に合わせてシンセサイザーを弾いて初音ミクの声を出す、ということで、生演奏としてのミクだったわけです。


本当に美しかったのは銀河鉄道の夜の楽章でした。
コンサートホールいっぱいに星空が投影されました。パイプオルガンの銀の柱に、星のグラフィックスが反射して、夢のようにきれいな物でした。
そして、ケンタウルスのあの祭り歌、さらに、カンパネルラとジョバンニの名前が歌われ。
ますむら・ひろし先生の漫画版の『銀河鉄道の夜』を読んでから行ったので、あのシーンが思い出されて……泣いていました。
地球も出てきて……。
そしてミクさん。
幻想的で、そこに無いのにあるし、いないけれどいる。
そんな存在。


アメニモマケズ、のうたは、心に強く響いてきました。
そういう風に生きることは難しい。
でも、何かを揺すぶってくる。

最後の楽章が終わりました。
彼女が消えてしまって。
今、ミクさんはたしかにオペラシティにいて、一緒に歌っていた。
あり得ないことがあり得た。
あり得ないをあり得るにする、そんな力が音楽にはある。
今は弱い自分でも、優しく強く生きることが出来るかもしれないと。


大きな、本当に大きな、割れるような拍手って、久しぶりに聴きました。
生オケとミク、というかボーカロイド。存外に合う物です。


アンコールは『リボンの騎士』でミクがオリジナルだろうあのリボン帽子(ただし青緑系にカラーリング)をかぶって舞いながら。
そして、最後の曲は『青い地球は誰のもの』。
先ほどの銀河鉄道の夜やアメニモマケズのメッセージと合わせ、ずしっとしみ込んでくる物がありました。


本当に良かった……。この瞬間に立ち会えて幸せでした。
コンサート開催に関わったすべての人たちにお礼を申し上げます。


冒頭に上げた公式の生放送アーカイブと、テレビ番組でも放送予定があるそうです。会場の掲示および配布物より。

分かりにくいので時系列で整理。
予定なので変更は大いにあり得ます。


再演はないのでしょうか。これっきりって言うのがもったいないです。
あれは会場で見聞きした方がいい。映像では収まりがついてしまうのが、会場では広がりがすごかったので……。
宇宙空間異空間でした。