長崎・高校生自殺未遂

吹奏楽部の生徒さんが自殺を図ったそうで、同業者としてかなりショックを受けています。
ご回復を切に祈ってやみません。そして、音楽や楽器が勇気づけてくれる奇跡があればいいのだけれど。


少子化で日本の子どもが失った物は大きいと思います。タイマンの張り方、ケンカの仕方なんかを知らないのは不幸。兄弟でおやつの取り合いもチャンネル争いもしたことが無いのは不幸。


ヤなことされたら、やりかえせ! っていう考え方もありますが、やり返し方を学べないんですよ、今の子どもたちは。
もっとガキンチョのころに、物理的にそういうシチュエーションに居ることができない。幼稚園時代なんかにトモダチとケンカしたこともないのでは? そういうことで、正しい戦い方、守り方も知らないし、そういうことを通じてのコミュニケーションの取り方も分からない。結果、自分を責める方向に、自傷や自殺に向かってしまう。


優しすぎるんだ。みんな。
表面的な優しさがもてはやされているんだ。
人生は闘いもあるのに。


子どもがケンカすることを良いことだと理解している親が減ったことは、不幸だと思う。


タイマン張れる学校がない。暴力を肯定するわけではありませんが、せめて嫌なことは嫌だと「言う」のは、立派なタイマンの張り方の一つなのに、それすら子どもがやれない。親が嫌なコトは嫌だと言っていいということを、ちゃんと教えてないんです。そんなんで大人になって、自分が護れるか! 大切なヒトを護れるか!


嫌だと言うことは、和を乱すことではないんです。対話によって自分を護り他人を発展させることにつながって行くと言う、コミュニケーションの原則。
ちょっと前なら誰でも知っていたことなのに。子どもにそういうことを背中で伝えられる大人が減った。


嫌だと言うことすら出来ない温室家庭に飼育学校。そこに幸せがあるかは疑問です。

2006/10/31追記

http://www.news24.jp/70118.html
大変残念なことに、生徒さんは亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈り致します。
何と言っていいか、コトバが見つかりません。