「ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた」

映画の試写会を見てきました。食欲の秋にぴったり……な、パイ一杯の明るい映画かと思いきや、実は女性としての生き方を問う厳しい作品だったという……。
夢や仕事と家庭と子ども。この選択肢だったら、周りのためには、あるいは、自分に嘘をつかないためには……どれを取りますかね? 女性に取って、あるいは男性に取っても、永遠の難問です。
おいしいパイを焼けることと、人生が幸せかどうかって、必ずしもイコールじゃない。でも、食べておいしいなら、作った人も幸せであってほしい……とも思えますね。ましてや、生活の中の様々な思い、こころの響きをパイにしてしまう、天才だったらなおのことですね。彼女の出した答えは……いかに!


試写会のお土産にアップルタイザーをいただいたのですが、せっかくなのでコンビニで100円のアップルパイを買ってきて、しかもアップルマッキントッシュでこれを書きながら……リンゴづくしで堪能しています(笑)。
まあ、冗談はともかく、この映画を見たら絶対にパイが食べたくなりますよ!


個人的には甘いパイの方がなじみがありますが、キッチュとかならいわゆるご飯っぽい、お肉っぽいパイもありですし……御食事処としてのパイの店が舞台の映画ですが、見ていてそのあたりは文化の違いと言うか、なるほどなあと思いました。あんまり、日本ではミートパイってなじみが薄いような気がしますが。パイって、日本だとお菓子のような気がします。アメリカではお菓子でもあるし、食事にもなるようですね。たぶん、日本でのおふくろの味が肉じゃがであるのと同様、アメリカではパイなんでしょう。


ちなみに、本作でチャーミングかつコミックリリーフ的な「ドーン」役とともに、数多くのパイ作り(笑)と脚本と監督もつとめたエイドリアン・シェリーさんは、この映画の日本公開を待つこと無く、2006年11月1日に40歳の若さで亡くなられたとか。遺作といっていいのでしょう、たぶん。パイ職人もパイ作りに参加しているそうですが、彼女自身も多くを手がけたらしいです。*1
単館映画からスタートして、日本にやってくるまでヒットしたのに……。残念です。ご冥福をお祈りします。
なお、ラストのスタッフロールをよく見ると、制作スタッフから彼女へのメッセージが入っていますよ。


本作は11/17(土)から「シャンテ シネ」他で順次全国的に公開されます。


……ネタばれを避けて書いているので、こんな感じで……。

*1:撮影現場の食事もきっとパイばっかりだったんでしょうねえ、幕の内弁当じゃなくて!