「ガンジス河でバタフライ」トークショーを観て来ました

このドラマの公式サイトはこちら。
http://www.nagoyatv.com/ganges/index.html
原作本

ガンジス河でバタフライ

ガンジス河でバタフライ


昨年10月に放送されたこのドラマがDVDになったそうで、そのトークショーと試写会に行って来ました。
このドラマ、放送された時はしらなかったけれど、友人に誘われて見に行ったら……面白かった!!
なんか、放送時の視聴率はふるわなかったらしいのですが、放送時は2日に分けられていた(前後編)のを連続して一気に見ると面白いんですよ。視聴率は番組の質を表さないという好例じゃないかな? 特に、「世界ふしぎ発見!」「ウルルン滞在記」が大好きな人にはお勧め。


ストーリーは若気の至りを地で行くような冒険物です。いや、あれは現代の冒険だと思う。うん。
主人公は就職活動中のハタチの女性。面接で自己PRに失敗し、面接官に「ガンジス川でバタフライして来ます」とか何とか、緊張のあまりにトチ狂ったような宣言をしてしまい、自分に嘘をつきたくないから(←妙に実直)と、本当にインドへ行ってしまいます。
インドに知り合いなんていないし。あてなんかどこにもない。しかも親*1にも内緒。
空港についたら、呼んでもいないのにあやしい関西弁のインド人に取り囲まれ、荷物と主人公を車でホテルまで運ぶから1000ルピーね、とかいわれ。カモられ。ホテル(っていうか民宿?)にようやく到着するとシャワーは水だけ。食事は合わなくてトイレがお友達。


そんな中、一癖も二癖もある日本人旅行者と友達になったり、裏切られたり、インドに家族が出来たり……。


インドのカースト制度に心を痛めたりしながらも、なんとかガンジス川にたどり着き……。


バタフライをしたら旅が終わってしまう……。空港に着いた時のビクビクさはどこへやら、すっかり図太くたくましくなっていった彼女ですが、いつ飛び込むか、なぜ飛び込みたいのか、自分でも良く分からなくなっていましたが。
自分と向き合い、踏ん切りを着けて飛び込むシーン、そしてバタフライで泳ぐシーンは圧巻です。
日本の清流を見慣れた眼からすると、ガンジス川は泥水みたいで汚らしい川に見えますが(実際、水質はかなり悪いらしい)、その中で本当に光っていましたね。
そして、就職活動の自己PRにうじうじと悩んでいた小さな少女は、すっかり明るく話せる女性となって、泥だらけで帰国したのでした。バックひとつで世界中どこでも旅行できる自分を見つけて……。



自分もインドを旅しているような気持ちになりました。映画館で見たから、周りのお客さんの反応とかにも共感して、本当に面白かったですよ。
一緒に行った友達は、「将来はインドに旅行したい」とすっかり魅入られた様子でした。
もっとも、ガンジス川での水泳は、日本人がやると生死に関わるため、どの旅行ガイドでも禁止事項に挙げているそうですが。


ちなみに、トークショーのときに、相当な数の芸能記者、マスコミが来ていて、写真撮影の時間もありました。よく、ワイドショーとかで流れる「**の制作発表と記者会見がありました」というのはああいう感じなんですね。フラッシュが凄かった。そういうのも新鮮でした。
原作者のたかのてるこさんと、脚本家の宮藤官九郎さんは大学の同期生だそうで、その頃にたかのさんが何故かインドに行って来たのだそうで。今回、長澤まさみさんが主役になることになって現地でシナリオハンティングしながら相当「変換作業(たかのさん→長澤さん)」にご苦労があったそうです。トークショーでもたかのさんの「濃い」キャラクターが存分に伝わって来ましたからねえ。
宮藤さんは現地で拾ったネタはどんどんシナリオに生かしたそうで、たとえばインド人の「モリ」さんというお名前の方がいらっしゃったとか。現地に。こういう日本人みたいな名前、使わない手は無い! と思って……実際、ドラマの最初の方に出て来ます。あと、現地のエキストラ150人を用意して撮影したあるシーン(たぶん、村の祭りで色水を掛け合うシーンじゃないかと思いますけど)では、撮影していると呼んでもいないのにどんどん人が集まってくる。気が付いたらエキストラよりも人数が多かった。インドではどこからでも人が集まってくるとか。うじゃうじゃ? 好奇心おう盛なのか、単なる野次馬根性なのか。そういう風に現地で書いたことは生き生きとしたドラマにつながっていったんじゃないかと思いました。
それに、長澤さんいわく、「(お話を頂いたときは)ガンジス川で泳ぐのが面白そうだと感じた」とか。すごい度胸ですね。
私自身の少ない海外経験からしても……原作の方が、インド人相手にああいう旅行を敢行したのはすごいと思いますし……。
ちなみに、長澤さんもロケ中は食事がなかなか合わなくてジュースとかドリンクを中心に乗り切ったらしいですが、実際、海外で水質があまり期待できない地域に出かける場合は、食事が合わない場合の非常食にはコカコーラがおすすめです。たいていの国にあるし、きっちり殺菌されているし、栄養価もそれなりに高いので。日本国内みたいに水道水が飲めるというのは本当に恵まれていることなんです。小さい頃シンガポールにいたときに、発熱時やおなかを壊した時は母親が炭酸抜きのコーラを飲ませてくれました。たいていアレを飲んで、あとはベッドをそこそこ暖かくして一晩眠れば治っていて、コーラ効果に驚いた物です。もっともコーラって、当初は薬として商品開発されたそうですがね。


ところで。
私は、この週末で死生観が変わりつつあるような気がします。
死ぬこと(というか殺すこと)をテーマにした映画、今の地球をテーマにした映画、そして、人間として生き生きと生きるということをテーマにした映画*2を3日間立て続けに観たので、いろいろと考えることがありました。


ひとつには生かされているということ。
そして、生かされている以上、「活き」なくてはいけないということです。
そういうことを、まざまざと感じました。

*1:その母親は娘の就職=子育て終了は自分のために生きるとかいって、(これは原作のエッセイのお母様も本当にそうだったそうで)腹話術師として活動を始めてしまう。

*2:本当はテレビドラマだけれど、映画館で観た以上は感覚的には映画ですよ!