高校の文化祭の思い出

今週のお題に参加してみます。
高校3年生のとき、ハムレットを演ずる俳優の話というバックステージ物の演劇をクラスでやりました。うちの高校の文化祭での演劇は、ステージ発表ではなく、教室で行います。いろいろなクラスで盛んに行われていて、暗幕を使って暗くしたり、照明を使ったりもします。
ハムレットなので、演劇の小道具の剣が必要で、タウンページをめくって発見したプロの撮影所に小道具を貸している業者さんから格安で剣を借りたりして。で、練習中に折ってしまって謝りに行ったり……。高校生ということで、弁償は請求されず、非常にありがたく思いました。
照明は教室なので大規模なものは入れられず、写真撮影用の照明を借りました。でも思い出のシーンみたいなところで光の色を変える必要があり、試行錯誤の末に照明用のカラーセルを2枚重ねて色を作ればきれいにはまると発見。これを演出担当の友人と見つけたときは、ちょうど夕暮れの空を一緒に見ていて「この空の色が素敵じゃない?」という話になって、照明用のカラーセルのカタログからそれっぽい色をひねり出したのでした。


いつもの教室を劇場に変えるという経験。そして、演劇をやるという経験。
私は照明などの裏方に徹していましたが、化粧をした友人が恐ろしいほど美人になってびっくりしたり。女子だけではなく男子も美人になって驚かされた人がいました。普段にはありえない経験でした。


都内屈指の進学校だったので、多くの友人には受験のための準備もあり*1、演劇と夏期講習とで大変だったのですが、9月中旬の文化祭は非常に盛り上がりました。学校全体で投票して賞とかも出していたのですが、さすがに入賞まではいけませんでした。
でも、入賞とか関係なく、後夜祭は充実していたのを覚えています。


勉強の成績は下から数えたほうがはるかに早かったのですが、文化祭は中心になって楽しんでいたなぁ。だいたい、あの高校を志望した理由も、偏差値はかなり高いところでしたがそれが理由じゃなくて、自由な校風と学生指揮の吹奏楽部っていうのにあこがれたからでしたし、つくづく勉強しに行ったわけじゃなかったんだなあと今でも思います。いや、それなりに授業への努力はしましたが。授業も面白かったですし。レポート(特に生物)には苦労させられましたが。
うーん、勉強に行きたいっていう理由だったら、中学時代の受験勉強をあんなにまじめにやっていなかったかも……?


高校生活が楽しすぎてしまったため、その後に目標を見つけることが大変だったのかもしれないな、と、今、気がつかされました。そして今の人生そのものにも。
それっぽい道は見出しつつあるような気がしますが。


あのころみたいに、いい演劇を創ろうってそれだけに夢中になれるシンプルさが、今の自分に必要なのかもしれません。いい演劇と、いい人生って、きっと形が似ているでしょうね。

*1:自分は文化祭準備ばかりしていた^^;