『第49回世界合唱コンクール 記念演奏会』(杉並学院・菊華混声合唱団)

友人がここの合唱団で歌っている縁で、演奏会に行ってきました。
旧・菊華高校時代に女声合唱で全国レベルの活躍をしていたメンバー有志が、今でも歌っていて、当時からの顧問でいらっしゃる渕上先生の元に現役生も大活躍。今では杉並学院との合併の影響で男子もいて、混声合唱団としてOBOGともども素晴らしい歌声で聴衆を魅了してくれています。
今年の7月にオーストリアで開催された、世界的なアマチュア合唱コンクールで日本代表としてエントリーし、カテゴリーA、Bともども見事3位入賞。平たくいうと、オリンピックで銅メダルを取ったようなものですね。
その成果を歌声で報告しつつ、現地レポートビデオ上映もありました。
賞状と講評用紙が展示されていたのですが、何がすごいって、日本人なのに西洋言語の発音やイントネーションを大絶賛されていたこと。OBOGがたくさんいるとはいえ、基本的にも練習時間的にも、ここの合唱団の主力はやっぱり高校生だと思われます。日本語と西洋諸国の言語の発音の違いは、英語ひとつ取っても大変な差ですが、今回のテーマはドイツ語やラテン語でした。どれだけ練習したんだ!! って話ですよ。しゃべるだけでも大変なのに、歌うんですから!! いやはや。日本の高校吹奏楽団もトップレベルはプロ顔負けですが、合唱もすごいなあ。
しかし、このヤングシンガーズは、単にマジメなだけではなく、しっかり笑いも取れるという……。合唱では、体を動かすパフォーマンスでも表現が出来る訳なんですが、非常にコミカルな動きの曲もあり、大変楽しませていただきました。
現地のビデオ上映も面白かったですし。ヨーロッパには古城がたくさんありますが、お城の中でのコンクールだったようで、なかなか得難い経験だったのではないでしょうか。また、町の広場で演奏する機会もたくさんあったようですね。こんな経験を高校生時代にしているなんて、一生モノですよ!!


おめでたいことはまだあって。
富山県で11月におこなわれる、合唱の全国大会に出場が決まったとかで、このフルステージをこなしたアンコール演奏が練習中の自由曲2本+オオトリに1曲。って、どれだけ鍛えてるんですか?
たしかに、世界大会で披露した曲に比べて、まだまだ練るべき部分はあるとは思わなくもなかったですが、全員暗譜、伴奏なし、それなりに出来上がりつつある感じ。……こりゃ、大会のときにはどれだけのものになっているのやら……。これが世界レベルか……!!
声楽や楽器をやったことがある方ならお分かりいただけると思いますが、楽譜を見なくても表現記号を含めて演奏ができる、「暗譜」の状態にまで持っていくことは、自分が楽譜を乗り越えた自由な表現をするための必須条件です。もちろん、基本的なことは楽譜に書いてある通り。しかし、楽譜を追うだけの演奏は、単なる音の再生でしかないわけで。そこに、自分の表現や感情、計算を込めることが音楽になる訳です。そのために便利なのが、暗譜してあること。譜めくりにとらわれないだけではなく、指揮者や自分の心の中の音楽に集中することができます。特に、私のやっているトロンボーンの場合、両手で楽器を持つ大型楽器ですので、譜めくりのタイミングによっては演奏自体に支障が出たりもしますし……。暗譜できるならやった方がラクです。
まあ、慣れれば数時間の合奏でも、ある程度は曲を叩き込めますけれど……。自由演奏会で初めて触った曲でも、午前中の練習だけで午後には楽譜をあまり見ないで演奏したりとか、結構やってるなあ、そういえば。
ただ、流れが読みやすいポップスならいざ知らず、コンクールに出すような、難易度が高く現代的な曲では、楽譜を読むだけでも難しいこともしばしばです。それを音取りして、効率的なポジショニング(普通の楽器なら指遣いかな)をしてって、結構大変。
なんか、暗譜のことだけでダラダラ書いていますが、要はこの合唱団はタダモノじゃないって言いたいんです(そりゃ全国常連&世界3位だぞ)。
社会人になってもこのレベルで歌っていられる友人が、本当に誇りに思えました。音楽活動を高いレベルでやりながら仕事も持っているって、本当に並大抵のことじゃ出来ないので。コンクール直前は社会人吹奏楽団でも週に3回くらいは練習があったりとか、毎日になったりとかしますからねえ。平日の6時から9時くらいの時間を、このために割り当てる。本当に大変なことです。
それにしても、難曲もポップスも、めっちゃ楽しそうに歌っていたなあ!!
今後の活動にも期待大!!