作品をふいにするのはもったいない

あの、ニセモノ作曲者さん事件。
作品評価は歴史と社会が決めると思うんですけど。それはそれとして。
吹奏楽ファンとしては、演奏時間7分とか8分とかくらいらしい(?)、しかも和楽器を使っていて、有名な高校が全力演奏して全国レベルのコンテストで受賞するに値したという……あの吹奏楽オリジナル曲がどうなっちゃうのか。
はっきりして欲しいと思っています。


邦人作品はあればあるほどうれしいわけで。
7〜8分の作品なら、吹奏楽コンクールの自由曲の選択肢が増える訳で。これくらいでしたよね、たしか。最近のコンクール事情に疎いのですが。
演奏時間内におさめるために、無茶なカットをして無理矢理につぎはぎした古典オーケストラ編曲作品を演奏するより、ちゃんとその時間内に収まって、吹奏楽のためにきちんと書かれていて、しかも日本人の作品をやった方がいいんじゃないかなあと。
古典を切り貼りして演奏すると、原曲を変な覚え方をしてしまう弊害があって、教育上よろしくないです。これは経験則。自分が中学の吹奏楽コンクールでやった曲の原曲CDに、要らない違和感を感じてしまうということで、原曲が味わえない障害が現にありましたから。


これくらいの演奏時間の、それなりにまとまっている邦人作品は、それだけでニーズがありそうなんですが……。どうなのでしょう。
演奏する団体が本当にあるかどうかは別で。
道そのものを閉ざしてしまうのはもったいないという話です。


作者さんたちには、せっかく作った作品からどうか逃げないで、何らかの形で安心して演奏とか視聴とかができる体制を作って欲しい……。
著作権が要らないっていうなら、PD(パブリックドメイン)として、さらに楽譜をネットでPDFとして無償公開してくれたら最高ですが。
音符を活字にしなくても、スキャンした画像でも良いから。あ、モノクロで良いのですがサイズと解像度はA4で300dpiでお願いします。印刷したらつぶれてしまうので。
今の時代、これくらいのデータ量でも死なない無料サーバなんていくらでもあるでしょう。
公的運営に近いところがいいというなら、Wikipediaに載せるとかだめかなあ? 画像を載せる機能があったはず……。


PDにさえなっていれば、活字化などはネットの誰かがやってくれると思います。
吹奏楽ファンや楽譜入力ソフトの勉強をしたい人の格好の練習台になりそうです。
そういう人、絶対にいると思う。こういう時代だから。


経緯は経緯。作品は作品。評価は評価です。
謝るべき所は謝るべきだし、説明するべきことは説明するべきですけど。
傷つけたあの女の子のこととかもあるし。被災地に嘘を付いたりしたこともあるし。
本人がそこはちゃんとすべきですけれど。
でも。
恐ろしいほど奇妙な経緯とはいえ、生まれた作品があるんですから。
吹奏楽曲をちゃんと書けること。それだけでもすごいのになぁ。
なんというか、あなたの子どもなんだから認知しなさいよ、みたいな……(ちょっと違いますかね?)。
もう、本当にもったいない話だ。せっかく作ったのになあ。