web 2.0という観点から自由演奏会を考える。

いよいよ、明後日にせまった『自由演奏会inTMF2006』。みらい座池袋(豊島公会堂)にて、フリーウインドバンドの嵐が吹き荒れます!? 詳細は公式サイトから。

吹奏楽ステージそのものは15時20分くらいの予定(他のステージのためにずれる可能性もあり)ですが、その前にちょこちょこ野外演奏するらしいです。会場でお待ちしております!


さて、自由演奏会、TMFに参加すれば今年4回目。だいぶ勝手が分かってきました。
午前中に一気に合奏形式でリハーサルをして、午後本番。あるいは、本番数時間前にリハーサルして、すぐ本番。


無茶だなあと思っていましたが、集団の力って偉大で結構何とかなってしまうのですよ。誰かが吹けないと誰かがフォローしている。


ファーストトロンボーンだけでも5人はいる、という状態に成れば、そのうちの誰かが確実に正しく演奏している。あるいは、トロンボーンが全部落ちても、他のパートが結果としてフォローに成っている。


やれてしまうんですよ、これが。結構。この形って、webで自分が慣れ親しんだ「集合知」概念にそっくりです。
700人の吹奏楽だったこの間の横浜会場。トロンボーンだけで30人とか40人いたかもしれない。
それだけ居れば、集団の力で正しい楽譜に限りなく近い合奏が成立してしまいます。私は相当ミスしていたはずですが、譜読みができている楽譜(ディズニーメドレーなど、中学高校で練習済の楽曲)であれば、ほとんど楽譜よりも指揮を見て演奏できましたし。そういう人が、曲ごとにチラチラ居るんじゃないかと思います。
音楽でも集合知ってありなんですね。


しかも、こういうのって常連さんが居たりして、心強いことこの上無し。また、中学高校生と一緒に社会人が演奏するチャンスってなかなかないですし。音楽が好きだ、吹奏楽が好きだっていうキーワード(タグ?)だけで人が集まり、これだけの演奏ができる。なんとなくWeb 2.0っぽいなあ。


さらにWeb 2.0っぽいことですが、吹奏楽団のチープ革命、という事も言えます。ほんとうに寄せ集めの集団なのに、結構人数が集まって、それなりに聴けてしまう。演奏者の方がお客さんより多かったまなびピア茨城や横浜、また都筑駅前の時は野外演奏で歩行者の方が聴衆になってくれまして(あの時が一番盛り上がった気がします)。
この日本の吹奏楽文化のレベルとパワーは、このままにしておくのはもったいないように思っています。吹奏楽部時代がなつかしくなって、でも市民吹奏楽団やオケに入る時間がなくて、でも本番は出たい、そういう人を演奏者に戻してくれるフレキシブルな方法ですね。日本の吹奏楽って、中学高校でオケ曲やって当たり前ってところがあります*1。それくらいハイレベルな経験の持ち主が、各学校に数十人くらい居る状態。そして毎年、全国で何人の吹奏人が生まれているか、見当もつかないです。
こういった人的リソースが活かされていないのはもったいない。今の時代のひとつの文化形として面白いと思っています。


こうしたことが、全部、「愉しいから」やれちゃうってことが、いちばんすごいことなんじゃないかな? 全国で年間40回を越えているらしいです。主催者の皆様は大変だと思うのですが。
そういえば、自由演奏会の告知って、Web(mixi)で見ていますし。広報の仕方もチープです。でも、人が集まる。
こういった流れを、既存の社会の中で認知し活かして行ける枠組みが必要なんじゃないかなあと思うのです。
文化支援としてのナニか。


もしも、吹奏楽をやっておられたけれど、今は楽器がなくて自由演奏会にも参加できそうにない方がこれを読んでいたら。
ぜひ、リハーサルからご覧下さい(たいていの自由演奏会ではリハーサルから見られます)。
どうやって演奏が成立して行ってるかがお分かりになるかと思います。

*1:私が中学1年のコンクールで演奏したのは、バレエ組曲コッペリア」の抜粋版。オケ曲として結構有名だったりします。これでも銅賞だったけど、中1でオケ曲が演奏できるようになった、というのは本当にスゴいかと。