天気の子

映画『天気の子』を観てきた。
最近の異常気象をヒントに制作されたということで、もしも東京が数十日連続の降雨に見舞われ、それを晴らすチカラのある少女がいたら…という映画だ。
新宿をはじめとする都市のディテールについてはくどいくらいに細かく描写されていた。当該の街を何度か歩いたことがあれば、ここがどこだか分かるというか。たしかに某求人広告トラックは派手な音楽流して廻っていることがあるし(渋谷あたりで見たことがある)。Yahoo!知恵袋マクドナルドなど、プロダクトプレースメントなのかなんなのか、アニメ化された新宿の一つの完成形だと思う。あそこまでクドクドと新宿や田端などを描くのはその街でキャラクターが生きているリアリティの描写のためだと思うが、最初の方では情報の多さで悪酔いしそうになった。あまりにもリアルで知っている街なもので。
で、肝心のタイトルロール、天気の子はなぜこんな能力者になってしまったのか。一応、劇中に説明はあるものの、何故彼女だったのかは中途半端なまま終わってしまった。せっかくあそこまで迫力のあるシーンを描いていながら、そのチカラの源泉について、あるいは少女が天空に飛ばされたことについてなど、不思議な現象についても説明不足だったのがちょっともったいなかった。そのあたり、『君の名は』では説明が入っていたように思う。旧エヴァ劇場版みたいな全力で投げっぱなしも一つのやり方なのだけれど、そこまで投げっぱなしというのでもなく。説明しているのにどこか不足している感があって、映画が終わったときに消化不良な印象。中途半端なのはこういう映画ではよくないかと。
ただ、そのあたりの謎は置いておいても、あんなにまで守りたいものがあるか、今の自分には無いように思えて。中学2年生の夏にはあったんだがなぁ。つまらない大人になりたくはなかったんだけど。青春映画って、この歳になるといささか痛いものだな。
ちなみに、例のシン・エヴァの予告が映画館で観られてラッキーだった。やはりアニメ系の作品ならあの予告を観られた。もちろんスマホでは何度か観ているが、劇場はやっぱり違う。あの迫力をちゃんと観られるのも楽しみにしておこう。