エヴァ、4Dは凄かった

エヴァで、4D化した過去3作が上映されましたが、この3週間の週末で全て拝見してきました。
本当にエヴァに乗っている気分になれました。さすがにGがかかるとか、シンクロした痛覚などは再現できないので、実際にはもっとすごいんでしょうけれど(笑)。
実のところ、4Dによって、エヴァ世界の解像度が自分にとってグッと上がりましたね。シンジたちは本当に大変だったのだ……と。で、やっぱり巻き込んだ大人たちの説明不足に怒りを感じたり。こんなに衝撃に耐えて闘ってきたのに説明してくれないなんて「ミサトさん、訳わかんないですよ!」っていう『Q』のセリフは実に同感でしたよ、シンジさん。いやもう本当。劇中最後に、カヲル君の忠告を聞かずにやらかしてしまうのですが、ここまで訳が分からないことが続いたら、槍が違うかもしれないよ、って言われても、あれこそ希望だって盲信、猪突しても仕方がない。彼は本当に悪くない!
そんな風に、QがQuestionだらけ、ってことにも、体験感がめちゃくちゃ爆上がりでした。『Q』は制作側が意図して謎をばら撒いているとしか思えない章なので、シンジさんの不信感がもう本当に実によくわかる。やろうと思えばリツコさんがもっと説明してあげればいいのに、シナリオをそうしなかった。冬月先生からも説明がまるっきり足りないし。ゲンドウさんはああいう人だからまあ口下手でも仕方ないにしてもね。カヲルくんももう少しなんとか……。ピアノを教えてくれたのはいいんですけども。
まあともかくも、行かれる方には、この社会状況ですので、道中の寒さとコロナ対策を万全にしてお楽しみくださいませ。料金がちょっと高いと思うかもしれませんが、それだけの価値はありましたよ。『Q』のをやっている間に、是非。冒頭から衝撃と迫力がすごかったですから。アスカは本当に頑張ったんですね!
この3週間の週末は、日頃のコロナストレスを忘れられるひとときでした。それに映画館でまとめて拝見すると、CGなどの技術進歩にも驚かされまして、そういうスマホ配信では分からなかった楽しさがありました。『序』はファーストエヴァの原画から起こしなおしたことを考えたら、実に30年近い技術進歩が詰め込まれている、とも思えます。昔は映像と音にあわせて座席が振動する映画館なんかなかった訳ですから。4D版は是非いつか、シン・エヴァでもやって欲しいものです。ささやかな期待をこめて。
さて、あとはいくつか、今回、3作通して見て気がついたこととか。思いつくままにめっちゃ順不同にメモ。

  • マリさんとシンジさんが直接顔をつき合わせてコンタクトしたのは、屋上で寝てたら空から美少女が落ちてきた(?)初対面のあのシーンだけ。Qまで見てもシンジさんから自己紹介もしていないので、マリさんの方はともかく、シンジさん的には「あなた誰?」状態のはず。マリさん的には2回も命を救ってあげてるのに、シンジさん的には自覚ゼロ。なんというか、もし機会があったらお礼くらい言った方がよさそう。あと菓子折でも手作り弁当でもいいから差し入れを。誰か教えてあげて欲しい(無理)。
  • ネブカドネザルの鍵、実はQでカバンだけですが一応は出ていたんですねぇ。今回やっと気がついた。結局、あれがなんなのかはよくわかりませんが、ゲンドウさんと冬月先生のシーンで一瞬映って。加持さんは生きてるのかなぁ。
  • エヴァの海はどういうわけか全般的に赤いはず、なのですが、破のラストにあるQの予告編で、青い海が本当に一瞬だけ映ります。ネルフ関係者が幽閉されるとかいうところです。空母のような場所にヘリコプター? が飛んできていますが、加持さんの招待してくれたあの水族館のような研究所なのかな。よく、ネットの言説では、破のラストの予告編がQとの間の14年間の空白を一気に埋めるものである、とか、聞きますが……。で、シンジさんはその間ずーっと眠っていたから、あえて本編では描写をしなかったと。「次第に壊れていく碇シンジの物語」と言う通り、エヴァ本編はシンジさんの話だから、眠っている間の話はオミットされた、という説。うーむ。わかる気はするけどいつか説明してくれないかなぁ。
  • ピアノで楽しく音楽をエンジョイする2人。後にカヲルくんはシンジさんの父上を「リリンの王だ」と評しますが、考えてみたらピアノは俗に「楽器の王様」と呼ばれますね。西洋音楽での作曲の基本が全て詰まっている楽器ですし、ほとんどの音域の音を出すことができます。他の弦楽器や管楽器、打楽器などは、音色や表現が違う訳ですが、ピアノほどの音域を1台でカバーできる楽器は、昔、私が浜松市楽器博物館の見学に行った記憶からすると……たぶん……ありません。あのとき、西洋楽器も民族楽器も世界中の主要どころを散々みたんですけどねぇ。やっぱりピアノは楽器の王様なんですな。で、エヴァに話を戻すと、世界を2人で弾いて楽しんでいるとも取れるわけです。ひとりでは完全かもしれないがやはり変化が無くて楽しくない。2人では、シンジさんの腕が未熟なので完成度的には落ちるかもしれないですが、予想もしない反応もあったりして楽しくなる。音楽としてはその方が楽しい。やっぱりセッションは面白いんですよね。そこは私のやってたトロンボーンもしかり、吹奏楽もしかりなのですけどね。ともあれ、ピアノの連弾で仲良くなるシーンは、旧テレビ版でのダンスでアスカとシンジがシンクロする話のセルフオマージュかもしれません。
  • 結局、あの14年の間にドグマの中で何があったのか。カヲルくんが彼なりに色々言ってくれますし、ネットでも説明は色々読みましたが、結局のところさっぱり。少なくとも、映画館のスクリーンの中だけで完全に把握はできないと思います。これは仕方ないかも。
  • 希望は残っている、のだそうですよ、どんな時にも。来月の最終章でシンジさんはそれを見つけられるのでしょうか? そういえばヴィレとはWill、意志という意味だとかで、『ふしぎの海のナディア』のEDがたしか、『Yes,I will...』でしたね。あれもいい曲でしたが、なんとなく薄いつながりを感じたりしました。

ともあれ、来月の旧劇の上映、そしてもちろん、最終章の上映が楽しみです。最後の1秒まで見逃せない!