キャプテン翼、ひとまずのゴール

【ペン入れされた】キャプテン翼の最終巻が発売されました。
以前、報じられていましたが、キャプテン翼のペン入れされた完成原稿としてのシリーズはひとまずここまで。
オリンピック日本代表としての準決勝、スペイン戦、後半15分過ぎ…まで。
4-2で日本は一応リードしています…が、というところまで。
あと30分の闘い、どちらに転がるかと。
あとはwebサイト『キャプテン翼World』でのネーム連載に続くそうです。

とりあえずの続きの1本目がすでに掲載されているので読んでみたんですが……ネームでも全然いけるわ、これ。
今までの長年の【高橋陽一語法】とでもいうのかな、パターンの蓄積があったのは大きい。先生が何を描きたいか、鉛筆だけでも十分読み取れます。セリフが写植貼っている感で読みやすいのはありますが。
今まで、何人もの漫画家先生が、作品半ばにして天に召されました。その度に読者は悔しい思いをしてきました。一番悔しいのは先生ご自身でしょうが。それを考えたら、描きたいものが描けるうちにネームででもストーリーを残そう、というのは、英断だったのではないかと思います。ストーリーがあれば、いずれアニメ化などは可能です。
それと、ペンを使えるうちに描いておきたかったのは、やっぱりスペインの素晴らしい風景だったんでしょうね。やや唐突にでもミカエルが旅に出たくだりをここで入れてきたのは、ペンで背景を描けるうちにやりたいことをやっておこう、そんな感じだったんじゃないかなと察します。彼が天使で悪魔で天才なのはもう読者は充分知っているので。

さて、ミカエルたちを倒すのには、日本代表がまとまらないと無理です。
そんな彼らの子供時代を描いたシリーズも同時に完結。岬くんが日向くんと仲が割といいのは、子どもの頃にチームメイトだったからなのですが、その辺りの事情を丁寧に描いています。黒のユニフォームの岬くんはなかなか新鮮でしたし、若嶋津くんが空手からサッカーに転向した理由なども分かります。
この頃の明和サッカーは言ってみればラン&ガン。走り、攻め続けることで圧倒し、守りさえも攻撃的。あまりにも攻めてくるので、敵は攻撃に転じられない。体力勝負サッカー。
この体力勝負サッカーを極め尽くした日向くんが守備が特徴のイタリアサッカー界で勝負していくわけですからねー。この辺りのコントラストはよく考えているなと今でも思います。
さて、岬くんの夢でもある、五輪男子サッカー競技の金メダル。
あと、ほんの少しのところまできました。鉛筆で描かれるこの先を見届けていきたいです。