竹を買ってきて,切ろう。

さて、いよいよ竹を使ってみましょう。
最初に断っておきますが,「風の笛」は単音の笛なので、合奏を意図していません。このあたりのコンセプトは完成した時にでもまた書きます。それに、チューニングも、切ったり削ったりするのが精いっぱいで,事実上の微調整は相当難しいです。ある意味,孤高の笛かもしれませんね。


さて、まずは竹を切ります。
東急ハンズなどで、直径3cm程度、長さ180cm程度の虎竹を買うことが出来ます。最近は竹の買い出しに行っていませんが、これで600から800円程度だったと思います。



1節分が、15cmから25cm程度です。写真のように,次の節の手前5mm程度の所に竹用のノコギリを当てて切って行きます。(なお、写真は見やすいように,背景を消し,竹の下に黒いプラ板を敷いています)ノコギリは,引く時に力を入れるのが基本。


ところで、都内で竹を入手するのは結構大変です。しかし、竹専門のお店が無いわけではありません。
品川区にある、山十というお店では、竹のバラ売りをしてもらえるのですが,ほとんど材木屋さん的な状態で、いろいろな竹が手に入ります。ただ、駅から結構歩くので,涼しい日を選ぶか,車での来店がお勧め。今日みたいな台風の日は,危険ですからやめましょう。
株式会社 山十
http://www.yamaju1.com/


ここは、同じような虎竹の値段はハンズとそう変わらない物の、太さや種類のバリエーションが断然違います。また、状態も相当いいのが多かったです。一度は行ってみてもいいのではないかと思います。


普通の竹林の竹は、切り立ては使わない方がいいです。油が抜けていないので、音が鳴らず,虫がわいたりもします。(経験あり)また、切る時は竹林のオーナーに事情を話し,許可を得て下さい。この時期の竹はどのみち良く無いです。虫が付いてるか,湿気ているか。俗に、「二八の竹は良くない」と言いますが,二月〜八月の竹は避けろ,ということです。冬場がベスト。


竹の油抜きにはいろいろと方法があります。弱火であぶったり,薬品を入れた鍋で煮たり、日陰で風通しの良い所に放置したり。そのあたりは、内部の空気が膨張して爆発を起こすなど,注意点が多いので,しっかり文献で調べてから作業してください。爆竹というのは、節をぬいていない竹に着火して、爆発させる所から始まったと言われているくらいですよ。


たまに、竹林に倒れていて、自然に油がほど良く抜けたものが手に入りますが,状態が良ければお得ですね。ものすごく状態のいいモウソウチクが手に入った時は,めちゃめちゃ感動しました。


というわけで、最初は竹林より、製材済の竹をお店で買った方がいいです。もっとも、生の虎竹など、林じゃめったに手に入らないでしょうが。なお、一時期は黒竹を使っていました。乗り換えた理由は、切りやすさと価格です。


以上,竹の入手と切断作業についてでした。