今回、実はメディア選挙だったのでは?

夕方、衆議院選挙に行ってきました。雨が降り始めた時間にかぶりましたが、結構人が居た感じです。選挙管理委員会の皆さまは、本当にお疲れさまですね。まだ地域によっては開票やってそうですし。(これを書いているのは12日の午前0時半)


雨や極端な晴天は投票率を下げ、一番いいあんばいなのが曇りだそうですが、今日は雨にも関わらず投票に行った人が多い感じでした。投票所でもちょっと待ちましたしね。これ自体は非常にいい事ですし、本来そうあるべきだと思います。自分が払ってる税金の使い道を決める人を選ぶことなんで、棄権はもったいない。だれも居なかったら白紙票を入れてくるのがオトナの責任だと思っています。ライブドア堀江社長が今まで選挙にあまり行っていないみたいですが、諸事情により何故か立候補してましたね。この人の動きも多分、それ自体で投票率に貢献したかもしれませんね。


そうそう。小学3,4年くらいのお子さんがいらっしゃる方は、ぜひ子供を連れて選挙に行く事をお勧めしますね。選挙に投票する親の姿って、子供心にそれなりにかっこ良く思えたので。(ウチは両親がよく連れてってくれて。いつも通いなれた小学校に、いろんな人がきていて新鮮だった記憶があります)教室の入り口から中を覗きながら、終わるまでちょっと独りで待たされて。それから帰りにアイスとか買ってもらって。なつかしいな〜。小学3年生くらいのころって、ちょうど世の中に少しずつ素直な興味を持ち始める年頃だと思うので、現場でそういう姿を見せてあげるのはとってもいい事だと思いますよ。お子さん連れは、あまりいませんでしたね。


それにしても、開票速報を見る限りでは圧倒的に自民党が勝っている感じ。
総選挙はてな予測市場でも相当に自民党優勢でした。


これで、本当にいいのかな? と。民主党だって本当には郵政民営化を考えてるみたいだし……。シナリオを書いた小泉総理が選挙に人を呼んだのは凄いと思ってみていましたが、今回ほどメディア選挙の危険性を感じたことはありません。
インターネットが使えれば、郵政民営化は本当に正しいのか? とか、他の自民党の政策はどうなのとか、自分なりに疑問やテーマを持って、色々考えやすくなるのですが(ネットは探すのと、人に聞くのと、リアルタイムで両方出来るのが優れていると思います)マスメディアは選挙運動の報道で、まず自民党を伝えました。与党第一党だから当たり前だけれど。受け身になりがちな既存メディアからの情報の摂取って、ある方向に誘導されやすそうだなあと。


投票率がかなり上がりましたが、普段選挙に行かない人たちが選挙に行った理由が、もしもマスコミに踊らされているだけだったら? 日本国民がそんなに馬鹿だとは思いたくないけど、テレビで言っているからとか、民主党は言ってる事が自民党に比べて分かりにくいとか、分かりやすくて鵜呑みにしやすい情報だけで動いたとしたら。ちょっと怖い。マスコミが見ている方向=国民が見ている方向という風に行ったら。想像するだに怖いものがあります。マスコミPRがウマい政党=良い政党、になってしまう。それでいいのだろうかと。今回、ここまで自民党が勝つとは、無党派層の人気を集めるとは思っていなかったので、かえって危険を感じています。これはメディアリテラシーを磨いておかないと、国が変な方向に行きかねない時代になってるぞ、と今更ながら痛感しました。


本当は、自分の手でしっかり調べるとか(こういう作業にwikiやブログ、人力検索サイトは最適です)疑ってみるとか、そういうのも必要だと思うし。国民の声、といえば世論調査ですが、以下今思いついた事なんで間違ってるかもしれないけど、世論調査の数字も疑ってみるべきだと思う。世論調査は家庭電話にかかってくる物だからskypeIP電話や携帯電話しか無い人は参加できない。質問方法が恣意的である可能性もある。それに、もっとも世論調査の電話がかけやすいだろう平日の昼間なんて、もっとも社会に言いたい事があるだろう勤労世代は、仕事中で世論調査どころじゃない。結局答えられる人は、その時間に自宅に居る人=主婦とか定年後の高齢者とかになる。今時、専業主婦ができる人って、大企業に旦那さんがつとめてるとか、年収が高い人になるのではないかなあと。つまり、経済的に豊かな人の意見しか反映しない。母体のバックグランドがそうならば、事前世論調査郵政民営化支持者が多い数値になる可能性は高くなる。で、「みんなが賛成しているんだ」というイメージが創られれば、あまり選挙に興味が無い人は短絡的に「郵政民営化ってみんなが支持している改革なんだね」とかって、他の自民党の政策は知らないで投票しかねない。日本人は国民性としてブーム、みんなが持っていたりしていたりするもの、に弱い。それが本当に自分や国に価値があるかとか、あまり考えないで「みんなと同じでいたい」ということに安心感を求める心理が強い。


ねつ造とまでは言いませんが、ある方向に民意をマスコミが誘導したいために調査を行うことは可能ではないかなと。もしも、それが、国民が世の中の流れを知る為の仕事をしているマスコミのある実態であったとすると、もう報道って信頼できないかも……。今までの小泉政権の歴史を徹底的に特集した番組とかってあまり無かったし。(選挙特集とかで、イラク派遣問題とか、批判しやすい話が目立った形で出てこない)


ちなみに、世論調査って、実際にはどうやっているかは、例えば以下の方の記事をご覧下さい。朝日新聞世論調査の体験談です。
http://danna.fukucat.pussycat.jp/?eid=232177


まあ、自民党の政治が悪いとは書きませんが、それに疑問を持って調べるにはマスコミの鵜呑みはめちゃくちゃ危険だと強く感じました。ミーハーな日本人。小泉総理の演説なら人は集まる。その人気もマスコミが創った物です。で、その「絵になる街頭演説」イメージががんがんニュース報道される。今回の結果が、本当に咀嚼して良く考えて投票しての物がどうか、個人的にはかなり疑問が。創られた支持率ではないのかなあと。


イラクにまだ自衛隊の方が行っているのはそろそろいい加減におかしいと思う。その辺の事情とかは争点を避けていたのが自民党のやり方で。だから、例えば郵政民営化にはまあ賛成だけれども、自民党のその他の政策(たとえば、憲法問題など)は大反対だと言う人は、どうすれば良かったのでしょうね。その選択肢を示せる野党が無かったし、自民党の上を行く各種民営化政策を出した野党も無かった。個人的には親米路線を行く事、国の赤字がどんどん増えている事、など、与党に対していろいろ疑問に思っていることがあって。全面的に支持できる政党は無かったですが、まあ、行ってきましたけれども……。


この選挙が、10年後に振り返ったら日本史の岐路になっていた、そんな気がしてなりません。良くなっていくか、悪くなっていくか……。今回、マスコミが積極的に『自民党反対票を入れにくいイメージ』を創ってしまった面は否めないのではないでしょうか?