DVテープはSPで撮らないと駄目、LPは禁物!!

今日、デジタルビデオ(DVテープ式)に撮影したもののキャプチャ→MPEG 2変換を頼まれたのですが、ビデオデッキで見てみたらLP形式で撮られていました。


通常撮影(SPモード)では60分のDVテープでも、LPモードにすると90分撮影できるので、LPは便利な反面、撮影したカメラじゃないと正しく再生できないという恐ろしい欠点もあります。もうほんとうにLPで撮影するのはやめてほしい。たかだか10分や45分程度やらそこらのものに何故使うんだろう? 学生さんがDVキャプチャのトラブルを持ち込むと、たいていはキャプチャソフトの設定が正しくないか、LPで撮影してしまったかです。先生方も授業でさんざんご指導なさっているようですが、一度失敗してみないとわからないんですね、こういうのって。


音がCDプレーヤーの音飛びのようにブチブチ切れたり、ブロックノイズという画像荒れ*1が起こったりして、本当にろくなことが無いのですよ。SPとLPについて書かれたページなどにも、画質は変わらないが無理矢理狭い幅に書き込むからデータ信頼性は落ちる、といった意味のことが書かれています。


個人で1台しか所有していない場合*2も、そのカメラが完全に壊れてしまって新しい機種に乗り換えたら、過去のLPモード撮影物は使い物にならなくなります。また、わざわざそのためだけに同機種を中古で入手するのもばからしいですし、中古はトラブルがつきものです。(お金がなくてもDVを使う必要があったので、中古カメラ2台使用していますが、修理に出したり、トラブルとうまくつきあいながらの利用です。初心者には勧められません)修理に出したらかつてのLP撮影作品が再生できないというトラブルもあったようです。(記事番号3373101参照)


トラブルの深刻さでは、VHSビデオの3倍モードの画質劣化よりもひどいともいえます。こうしたLPの問題点を説明書に警告としてしっかり書いておかない(多少は書いてあるけど問題として分かるように書いていない。本体に注意書きも無い)メーカーさんもひどいですけど。


長時間の撮影が必要でLPが必要なくらいなら、60分テープのLPではなく80分テープのSPモードで撮影するべきです。後で自分が損しますから。長時間ものって、結婚式や体育祭など、重要な行事であることが多いので、あとで見られないというのは非常にきついことのはずです。これからデジタルビデオを使う方は、絶対にLPは使うべきじゃないと思います。また、一台で長時間必要な場合はテープ交換のタイミングをよく考えておくことが重要です。理想的にはカメラを複数使って撮影し、タイミングをずらしてテープを交換してうまく編集することで回避することができると思います。また、長時間録音できるメディアで、音だけでも別に撮っておけば、あとでテープ交換部分だけは他の映像でごまかせるでしょう。


さて、とりあえずいまキャプチャしていますが、案の定、ガンガン音が飛びまくっています。30秒ほど無音状態なんてザラです。撮影元のカメラが今日は絶対手に入らない分、どうしたらいいのやら。事情は全部ご説明しましたが(どう考えても撮影者が悪いので)今使えるカメラ&デッキ全部(合計6台)でテストして全部駄目だったので……。しかも今日中になんとかしろっていわれても、これ以上どうにもならないと思う。画像はきれいですが音は飛びまくっています。さあどうしたものか。……と思っていたら、撮影したときのカメラが偶然見つかりました。再生確認しました。これで何とかなりますね。


ともあれ、LPは、撮影したカメラでの撮影したときの状態でないとちゃんと見られない悪魔のモードです。長時間撮影の誘惑に乗らないで下さい。これ読んだ方、LPでの撮影は本当にやめて下さい。あれは、結局のところは技術的に無理をして引き延ばしているだけですから。

*1:画面に虹色のモザイクが入って画像がまともに見えなくなる

*2:必ずそのカメラでしか再生しないと分かりきっている場合。