出展しての感想

展覧会が終わったので、展示してみての感想を書きたいと思います。

制作作業の反省

実は今回、私自身は制作そのものにはあまり携わっていなかったのが今頃になって悔やまれているところ。材料提供とかは参加したんですが、個人的事情があり、企画/制作していた時期にあまりミーティングに出られなくて。もちろん出来上がった物にはそれなりに満足しているし、やって良かったと思っているんですが、「製作した感」「参加した感」的なものが前回より薄いのが個人的に残念です。今回の場合、実質的に担当したのは配布物のみだったので……。次回は自分でも作品の一部としてしっかりとした作品を出せたらな、と思います。要は、生活の自己管理の問題だったりもするのですが。

設営作業の反省

早めに会場入りして良い場所を取れたのは収穫でした。前回よりもライトが当たりやすく、吊り物が無理なく吊れて(天井が低くて上からつり下げられる網目になっている)よい場所でした。次回も吊り物をするならあの位置が良さそうです。
当日の搬入で状況の読み違えがあって、大部分の展示品の到着が遅くなってしまったのは反省点。九時集合で初日の二時から展覧会スタートだったのですが、まだ展示が終わっていませんでした。最終的な仕上がりは次の日になってしまったし、配布物も最終日に増やしたりとか、不手際がありました。ともかく仕上げてお見せできる形にさっさとまとめあげられるように……。会場に合わせて進化する柔軟さは長所だとも思いますけど。

テーマと表現について

六ヶ国協議という現在進行形の話題を扱ったのは非常に良かったですね。それぞれの国の言い分を、本音と建前に分けて、パネルの表裏で展示したのも良かった。それが伝わりやすかったかどうかは、最終的にはお客さまの判断になるかと思いますけど。
ただ、この手法だとテキストに頼ることになるので、もっと人形で魅せて伝えても良かったかな、とも。人形アイテムもいろいろ工夫していたのですが、バランスとしてテキストが多すぎたかもしれません。見るべき物が多くなり過ぎるので。何処を見せるか、をもっとしぼっても良かったかも?

配布物について

靖国神社問題のパネル記述がコレほど注目されると思わず、急きょ最終二日間に間にあうように配布物を作ったのですが、ちょっと印刷品質が悪かった。もう少し読みやすく刷ればよかった。赤紙を今年も配付したのですが、最終日を待たずして配布終了。やっぱり、初日に全てが十分に揃っている状態を作れた方がいいに越した事は無いですね。結構持っていかれる方が多かったので、次回の配布物はしっかり用意しておきたい。

展示期間中に気が付いた事

パネルに人がぶつかって衝撃で落下したので、もう少しがっちりと止めておくべきでした。
お客さんがご覧になっている時は影で密かに緊張していました。何処をおもしろがっていただけるかとか……。会場でおっしゃっていただいた「良く出来ている」という評価は、そのまま、人形の顔制作担当のN氏、絶妙なる手や体制作担当のF氏に捧げます。
マージャンの慣習に詳しい人が制作者に少なかったので、多分詳しいお客さんからはツッコミ所満載だったでしょうね。
誰かが台におすわりになったらしく、最終日に台が割れていた。まあ、座らないで下さいとか書いておくのも野暮ですけど。そんなに強い素材は使っていないです。

楽しめたかどうか?

まず、お客さまからは、「人形が良く出来ている」「分かりやすい」などご好評をいただきました。あまり批判的なことは言われなかった気がします。分かりやすいデフォルメ&パロディ路線はこのグループの財産なので、このまま継続していいのではないかと思います。だいたい、難解な現代美術をやるような人たちじゃないし……。
自分としては、先ほども書きましたが、もっと「参加」しても良かったなと。いろいろ調べてみて自分なりに「この国の平和政策はどこかおかしい」というところがあって、それを楽しみながら作品に繋げるには、それなりの知識と好奇心や脳みその体力が必要で。その辺が自分には全然足りないです。でも、この集まりに参加すると、普段あまり考えないその辺の問題感覚が身に付くので、非常に勉強になるんですよね。配布資料のレイアウト担当はこのまま続けていきたい物です。まとめていくのは非常に勉強になりますから。この辺りの事は普段からの問題意識そのものが必要になって来るのでしょう。
それから、本来の専門の音楽関係で、なにか作れたらいいなと思っています。今回、他の方の作品で、空を飛ぶ自衛隊機の映像に憲法9条や戦後すぐの頃の平和憲法解説文などのテロップを当てていた作品がありましたが、あれは非常に分かりやすかったですね。映像とか音の路線で何かをするのは考えてみたいと思います。