勉強になった技術書とか刺激を受けた本、5冊くらい紹介するのをやってみたいと思います。
私の場合はそもそもDTP系用途でPCを学んでいるので、「MacintoshとWindowsの互換」とか、「デザイナー出身でない人がCGを学ぶ」とかいったあたりが興味のあるところです。
今、書店での入手はまずできないのですが、大学時代の愛書だったのは
ソフトバンクから出版された、当時は出版社でなくライター集団だった
エクスメディアの書いた
PhotoShop 3.0のメニューマスター本。これはまだモノクロでしたし、作例データの添付もありませんでしたが、掲載事例が豊富で実践的で非常に面白かったですね。あれでPCソフトウェアの学び方に開眼。まあ、これは現在入手不可なので、その流れを受け継ぐこの一冊をまずはおすすめしておきます。これに限らず、
エクスメディアの
Adobeソフトウェア本はどれもこれもお勧めできます。この出版社の
Illustrator 8.0の解説本を徹夜で読んで、
ベジェ曲線の描き方やベクタ画像の面白さにはまったのは大学卒業直前の頃でした。あれがなければ、今の仕事はしていないかも。ピンとこなかったことが分かったときの快感は今でも楽しいです。
掌田津耶乃さんのMac OS 9解説本も徹夜で読んだなあ。大学の長期休暇、音楽以外の時間で暇だったときはパソコンの勉強をしていたので、こういう厚い本にお世話になりました。一気に読んでがんがん使って学ぶのが結構好きかもしれません。今では私が読んだ
Mac OS 9の本はやっぱり入手は難しいと思うので、同じシリーズの最新版(
Mac OS X 10.3)をご紹介します。(10.4版はまだ出ていないのでしょうか?)OSの仕組みだけでなく、普通の本では解説しない
Mac OS標準添付のプログラミングツール(古くは
AppleScriptの
スクリプト編集プログラム、今は
Xcode Toolsですね)の基本解説までサポートしているのが面白いところです。表面的に使えればいい、のではなく、中のことまでしっかり知っておきたい人向け。当時
Macはまだまだ入門者だったので、機能の豊富さにカルチャーショックを受けた覚えがあります。また、文章もいいんです。堅い本のわりに非常に読みやすかった記憶があります。
もともとは
MYCOM PC Webでの連載をまとめたものです。PC
トラブルシューティングをエッセイにしてしまった企画の面白さからファンに。連載だけでなく本も買ってしまいました。当時、
Macユーザが読んでいても面白かった。内容は今となってはさすがに古くて、
Windows XPのれい明期までしかサポートしてませんが、ぜひ続編というか、最新版で書いてほしいですね。
Windows Vistaが出た頃にやってくれないかなあ? 銀次郎ちゃん(作中に出てくる自作パソコンの名前)はまだご存命なのでしょうか?
Windowsの
レジストリの仕組みとか、
Windows XPのプロダクト
アクティベーションのことなど、「平易な日本語で書かれた重要情報」の重要性に気が付くきっかけに。この本を読んだことが、「難しいIT系の概念を日常語で例えて解説すること」の面白さと深さに気が付かされたきっかけでもありました。また、
トラブルシューティングの調べ方事例がたくさんつまっているので、
急がば回れ的にPCトラブルに強くなりたい人には今でもおすすめできます。
著者自らが宣伝もしていますが、Macではこうする→
Windowsではどうする? という疑問のほとんどはこの本で氷解しました。当時、こういう比較で両方のOSを一気に解説してくれた本ってありそうでなかったのですよ。サイトで「どれも大事で削れなかった」と事後の感想をお書きになられていますが、それもそのはずで、実際どこを削られても困る。
Windowsに慣れないうちは非常に頼りになりました。(特にコン
トロールパネル関連など)この経験が後に
DTP検定(II種)受検に役立ちました。OS間データ互換の問題とかも出るのですよ。いい本なので、
Windows Vistaが出たらまたやってくれないかな。
レイアウトデザインの勉強はこの本から始めると基本がぶれなくていいと思います。デザインをあまり知らないけれど、印刷物デザインなどをしなくてはいけなくなった人にお勧め。7日間、と銘打っていますが、学んだ7日の後ももちろん使えます。課題のターゲットにしぼりつつ、事例豊富で分かりやすいです。スミの濃いモノクロ印刷なので多少本文が見づらいきらいはありますが。こういうことを知ってデザインする人と、知らない人では差がやっぱり出ますよ。
こうして見てみると、昔良かった本だったから現在のデータを収録して出してほしいものばかりになりました。
私がIT本を選ぶ基準は、事例が豊富であることと、日本語が比較的正しく使われていて読みやすいことです。それこそ、読み物としても読めてしまうくらいに。その意味でも、どの本もおすすめです。