自分の理想

昨日の練習の後、手持ちのトロンボーン用楽譜をアレコレひっくり返してみました。
今の自分にぴったりの練習曲は無い物かなぁ……と。
どうも、自分がトロンボーンソロでやったらきれいだろうなあ、と思う曲って、シャープ系の調でレガート奏法を要求されるものがスゴく多いんです。この2点は、自分のトロンボーン技術では苦手なのに。
例えば、モーツァルトの「アヴェヴェルムコルプス」は、大学のときオケでやったんですが、トロンボーン単体でやってもきれい。原曲はD durで、それをEs Durに移調したトロンボーンアレンジ版が、東亜音楽社の「管楽器ソロ名曲集トロンボーン(2)」に収録されていますが、やっぱり原調の方がずっときれいに思えます。半音しか違わないのですが、その半音が違和感につながります。


たいていのトロンボーンって、Bフラット管なので、実音的にいうと最初からフラットが2個付いている調律になっています。だから、フラットの調号が得意で、シャープは結構苦手。だというのに、シャープ系の調の方が、ハマればよりかっこ良く聞こえてしまう(自分の耳には)。


それともう一つ。トロンボーンのレガート*1って、原理的に言ってスゴく難しい。スライドをそのまま引っ張ったんでは、ポルタメント*2になってしまう。で、しょうがないからレガートでもタンギングをする*3んですが、しすぎるとたんなるテヌート*4になる。
テヌートとレガートを使い分けられてようやくトロンボーンの基礎が完成*5なんですが、もう、これが難しいのなんのって。この問題に気が付いたのは中学3年でパートリーダーとかソロとかをやるようになってから。教則本には「普通はta_ta_taのタンギングだけどレガートではra_ra_raのタンギング」とか書いてあったりしましたが、どうやったらスローカー先生*6やベッケ先生*7みたいにきれいに決まるのかなあ、って当時から悩みの種。大学で先生に聞いてみたりとかもしましたが、まだ自信が無い分野です、レガート奏法。演奏方法は理論的にも原理的にも分かっているんですが。
でも、ハマるとすごくきれいなんだよな〜。今度こそ逃げないでモノにしたいです。やりたい曲がみんなレガートを要求する曲ばかりだから。そういえば、自分で書いたトロンボーンソロ曲も、レガートバリバリ。
楽譜の棚からトロンボーン用レガート練習曲集が出て来たから、これをしばらくやって行こうと思います。


たぶん、絵を描いてる人とかは「どうしたらもっと描線がなめらかになるのかな」とか、同じようなこと考えてたりすると思うけど、楽器には楽器の悩みがあるんですよね。
いい音を目指そう。

*1:音と音の間を滑らかにつなぐ奏法

*2:たとえば、レからファに音をあげるとき、その間を段階無くずり上げる。ピアノなどと異なり、レレ#ミファというようなはっきりとした区切りが無い上昇になる。スライドを引っ張るだけ。

*3:普通の管楽器はしません。トランペットやリコーダーとかはレガートのところではタンギングしないのが普通。

*4:音をその音の分一杯に伸ばす。四分音符だったら四分音符ギリギリの長さを吹いて、音と音の間をできるだけ短くする。その逆がスタッカート。音と音の間を空け、音を短く切る。

*5:単なる持論かもしれん。

*6:トロンボーン奏者として有名なソリスト。ハイパーテクニシャンとして有名みたい。

*7:同じく。美しい音に定評。この方の音はある意味理想です。