ヘラクレスの歩行

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さて、さて。タポスを後にし、三毛無い、ちがう、ミケナイを目指す不死身五人組。
久しぶりのような気がする地上のきれいな空気、空を飛ぶ鳥、よい天気、燃えるような夕焼け、降るような夜空……。そんなのを想像しながら、この道行きにプレイヤーもつきあいます。
今作の面白いところの一つに、時間の経過が早いことが挙げられます。スパルタ兵は追ってこないだろうし、まだまだ急ぐ旅ではない(タポスの一件やトロイとスパルタの一戦は気になるけれど……)こともあるので、たまには地上マップ上で歩みを止めて見るのもいいと思います。主人公たちの足元の影の長さの変化、日の高さとともに移り変わって行く風景の色合いが大変美しいのですよ。
そして、この五人組が何を話しながらミケナイを目指しているのかとかを想像するのも一興。なんとなく、
「わたしたちは何者なんでしょうねえ」
「実は永久に営業する八百屋の運命だったらどうしようか?」
「わっはっは! わたしはニンジンが好きだからニンジン専門店をやってみたいな」
「あのさ、ヘラクレス。あなたはそれでいいかもしれないけれど……儲からないと思うよ、ニンジンばっかりじゃ」
「そうですね。せめてタマネギとジャガイモくらいは置いておかないと、カレー好きの主婦の皆さんに嫌われてしまうでしょうね」
「きれいなお兄さん」
「エリスさん? なんでしょう」
「わたし、カレーよりも、シチューが好き!」
「そうですか。たしかにシチューもいいですねえ」
「…………(主人公は無口だが、ニコニコしている)」
っていうくだらないことをのんきに話していて、カレーとシチューのどっちがおいしいか論争になり、オチが、
「……で、結局、おれたちは?」
「オリンポスに行かないと分かりませんよねえ?」
「わっはっは! まだまだ先は長いぞ!」
……とか……。
え? この時代のギリシャにカレーやシチューはあるのかって? さぁ、ねえ? でもスパイスというか、多少辛い煮込み料理とか、ミルクを使った煮込み料理はあったんじゃないかしらん? 火はすでにあったし、肉も野菜も食べていたようだし。


……のんびり歩いているうちに、そして数回の戦闘を難なく切り抜けるうちに、山間からミケナイが見えてまいりました。
さて、なにがあるのかな?