「適切な大きさの問題」のお話

「適切な大きさの問題さえ生まれれば。」完結しました。 - My Life Between Silicon Valley and Japanで著者の梅田望夫さんが紹介されていましたが、はてなの梅田さんと、ほぼ日のイトイさんと、任天堂の岩田さんの三者対談がほぼ日刊イトイ新聞 - 適切な大きさの問題さえ生まれれば。に掲載されています。


この対談タイトルにもある「適切な大きさの問題」というのは、オープンソースのプログラム「Ruby」を作ったまつもとゆきひろさんに聞いたとして、梅田さんが紹介していたお話です。
ある人がモノを作っているといろいろ問題が出てくる。1人でできることには限りがあるから。でも、インターネット上にソースを公開しておくと、あたかも新聞に載ってるクロスワードパズルを解くように、問題を解いてくれる誰かが現れる……。
オープンソースはこのような感じで、問題があるから解いておく人たちが育てているようで、なにもカッコつけてボランティアだの社会貢献だのを考えてやっているわけではないようです。


目の前に、きれいな色だけれど、こんぐらがった毛糸がある、とします。


あなたは、ほぐしますか? ほぐしませんか?


ほぐしたくなるヒトは、もしかしたら、オープンソースとかを面白いと思うタイプかも……!?
(私自身もついほぐしちゃうと思います)


なるほどねえ。
直感的に、これなら自分にも解けそうだ、という問題だと思ったら、ついつい解いてしまうかもしれないなあ。いきなりゼロからRubyを作れとか言う話だったら自分には無理だけれど、たとえばドキュメントの中に日本語として間違っている言葉があれば(漢字とか送り仮名とか)直したくなるかもしれないなあ。そういうヒトが10人、100人集まれば、立派な校正部隊になってしまう。どんな出版社でもこんな大人数の校正者を抱えてはいないでしょう。もちろん、フルタイムでやれるわけじゃないけど、たくさんのヒトがチェックすることって、1人がその仕事にどれくらいの時間を割けるかということよりも大切だと思います。たとえば、あるドキュメントについて、1人が50分かけて校正するより、5人が10分ずつ見た方が精度が上がりそうな気がする。なんとなくですけど、どこかでそういう心理学なり何なりの実験をやっていそうな気がしますけど。


このダイアリーにいろんなことを書いていますけれど、色々な検索ワードで寄って見て行って下さる方々は、毎日200名前後くらいのようです。こんな雑記帳でも役に立っているのか、いないのか……? 時にはネット上のノイズになっているかもしれませんが、結構、役に立っているのかもしれないし。だとしたらちょっとうれしい。書くこと自体は非常に楽しいですからね。
そういう情報の集積がネット上に転がっていくとすると、何気ない「智慧」が集積されていっているんだろうなあと。そういうのは、ブログ検索エンジンRSSの組み合わせでさっさと引っ張ってこられるわけで……。


いろんなことをオープンソースにしたら、実は結構面白く解決できるのかもしれないな。
たとえば、地球温暖化問題とかも、何もしわくちゃにしかめっ面をしてどうしようどうしよう、って言ってるだけでは解決できないから、人々の何気ない智慧をうまく集めるシステムが出来れば、解決しちゃうのかもしれないな。
そんなことを思ったりしました。


ブラウザを開いたらブログを書くように。
心臓を動かしたらCO2を削減するための何かをする。
そんなことができたらおもしろいんだけどな。