漫画家アシスタントとして採用されるような人物像について。

昨日読んだ『聖なる花嫁の反乱(4) MiChao!KC (KCデラックス)』の末尾のあとがきで、紫堂恭子先生が先日のアシスタント募集と採用の件について描かれていました。
紫堂先生の場合に限りますが、どのように漫画家アシスタントを募集して面接して採用しているのか、かなり具体的に踏み込んで描かれていました。
その中で、応募の段階ではうまくなくても、丁寧に描いている人であれば見込みを感じるとか。それから、たった1日で紫堂先生の仕事場で必要な技術を叩き込み、大量に課題を出し、専門学校で1年かかるようなことを2週間くらいで学んでいただく、的なことが描いてあってびっくり。採用されたらすぐに先生の原稿に手を入れてもらうんだから当たり前といえばあたりまえなんでしょうけど。


つまり、丁寧に描くことが自然に身についている人であれば、教えれば伸びるってこと。
伸びれば、どんどん、いい原稿作りができる。結果、先生の作品が面白くなる!→売れる→漫画家として長続きする。


丁寧に描けることは才能のひとつだということ。う〜ん、確かに!


たしか、紫堂先生は以前、教員をなさっていてどうしても向いていないと感じて、それでその夢をあきらめて漫画家に転向なさったかとおもうのですが。『辺境警備』か何かのあとがきでそんなことをどこかに書いておられたような。


面白いお話を丁寧に仕上げよう、というスタッフが作っているから、紫堂先生の漫画はちょっとした大作*1映画並みのクオリティで面白いんだろうなあ。とくに、『聖なる花嫁の反乱』は『辺境警備』&『グラン・ローヴァ物語』&『東カール・シープホーン村』三部作*2以来のファンタジーワールド感覚あふれる大作になりそうなのが読者にも伝わってきて。この世界観が伝わる感じがたまらない! かなりハードで衝撃的なストーリーですが、続きが楽しみで仕方ないですね。


人を育てられる漫画家さんって、作品の質が良いだけではなく、漫画文化の発展のためにも大切だと思います。
なので、紫堂先生のお話が末長〜〜〜く売れてほしいなあ、と、思うのでした。

*1:語義矛盾は承知しています。

*2:先生はべつに三部作だとかはおっしゃっていませんが、この三作は同じ世界での出来事として描かれています。