派遣のオスカル、2回目。

今回も期待にたがわず面白かった。
原作漫画のストーリーから離れて、さてどうなることやら、と思っていたのだが、心配無用。
ドラマのオリジナル展開になると途端につまらなくなる凡百の原作モノドラマとは一線を画しているといっていい。
現実に対してあきらめているヒトが多い現代だが、たとえば入社試験を受けたとき、たとえば新しい企画を思いついたとき、新しい部署に入ったとき、なにがしかの「熱さ」が心に宿っていたヒトも多いと信じたい。現実の煩雑さと困難さが、「熱さ」を忘れさせてしまっているだけなのだろう。
そんなとき、純粋なストーリーが手許にあれば、きっと心に火をつけてくれる。それが本作での「ベルサイユのばら」の役割なのだろう。
作中で何度か引用され、また勝子の手に取られる漫画世界が、ひとりの登場人物としての役割すら担っているのが、このドラマの面白さだとつくづく思った。


ドラマだけの話だろうか?
たとえば、「お台場のガンダム」の盛り上がり方は、空想世界が現実に力を与えてくれることを示唆してはいないだろうか?
小さなころは、誰でもアムロであり、シャアであり、オスカルであり、アンドレであった。その想像力は、きっと今でも心の中に生きているはずだ。
現実を変える確かな力として、自分の中のヒーローたちと語り合うことが、不況の中でもメディア王国として歩み続ける日本の国のヒトができる、おおきな特技なのかも知れない。


さて、ここまで盛り上げておいて部署がなくなる!? ……ワケがない。
たぶん、組織改変で、この「和風美人」の開発部署は新しく構築されるのだろう。……ただし、がけっぷちな状態で。
派遣のオスカルのこの先が楽しみだ。


次回も「弾こめ〜、進撃っ!!」