911の日。

あの日、夜中にテレビをつけていた父に声をかけてみると、彼は言った。
「なんか、アメリカでビルに飛行機がぶつかったらしい」
「へ!?」
テレビではCNNの映像が流れ、そして、映画とかじゃない限りまずできなさそうな信じられない光景が映っていた。


あれから世界は変になった。
武であることが是となった。
今までもそうだったといえなくはないけれど、「それ」以上の変化だった。


この日記の右下には、「イラク・ボディカウント」のカウンターが設置されている。
何もできない自分ができる、小さな平和活動。それは、イラクで敵も味方もなく、戦闘員も非戦闘員も別なく、戦火の中で亡くなられていった方々の合計人数を表示すること。
いつのまにか、10万人を超えてしまった。


イラクでしたことで、ワールドトレードセンターの悲劇の取り返しがつくとでも?
新しいビルを建てることが、強いアメリカを示すことになるとでも?


もう、うんざりだ。
強いアメリカを示すには、大きなビルを建て、戦を交えることが必要だとは思えない。
人道的なアメリカを示すことこそが、今、世界が求めていることでは。
本当に強いアメリカ像は、ここまで追い詰められた世界に、人道的な光を示すことで生みだされるのではないのか。