ダイがだいぶ早すぎる件

先日からリメイク版が放送され始めた『ドラゴンクエストダイの大冒険』。
ダイレクトに世代なので、毎週楽しみに追ってます……が、気のせいか展開が早いような?
今回の『ひとかけらの勇気』の回は、普通の人だったポップが勇気に目覚める名作回。
新作では前を見据えて戦地に疾走するポップと、背景の街の人たちが下を向きオロオロしているところの対称性が描写され、台詞にない演出が見事だと思いました。
しかしまさか、そこからさらにマホカトール、ダイの覚醒、クロコダインの敗退まで一気にやってしまうとは思いませんでした。
慌てて旧アニメ版をdアニメストアで確認してみると、やっぱり今回の内容に匹敵するのをだいたい3回かけています。見直したら回想が多すぎる感はありましたが。
現在のところ、旧アニメ版で18話までくらいの内容を、現在の第9話まででやってきてしまっているわけです。倍速ですね。
原作が終わっている強みで、要所要所を締めつつテンポ良く、というのが新・ダイの狙い目なのかもしれません。セリフも細部を省いてキレが良くなっています。その分のニュアンスは声優さんや絵の演技力でっていう。一歩間違えたら心理描写をおざなりにしかねない賭けに出ていますなー。
つくづく、今だから出来る作り方をしているなあと。画面切り替えも、めちゃくちゃ早いですし。
ところで……。
このあと、ダイぶ後になるまでニセ勇者一味は出てきませんが、魔法使いまぞっほが実はすごい人なんじゃ、という。
まぞっほに魔法を教えた師匠って実は……というのがありますが。
あの妖魔司教ザボエラですら悪魔の目玉を使う必要があったライブビューイングを、水晶玉ひとつでサラッとやってしまう。しかも、覗いているのにザボエラが気がついてないんですよ。魔力が現場に届いているはずなのですが。ステルス能力も高い?
この先に出てくるメルルも同じような芸当をやってのけますが、この、水晶玉を使ってどこかの様子を見る魔法力って、僧侶系でも魔法使い系でも賢者系でもない、一般呪文とは別系統の技術のようです。
まあ、まぞっほのことなので、辻占して小銭稼ぎをするために覚えたのか? とかも想像しますが、メルルのおばあさまの話からすると、なんらかの血筋も関係しているとかしていないとか。
何にしても、魔法使いまぼっほは飄々としているようで、実は相当な使い手なのは間違いありません。魔法使いか占い師の家柄の出なのではないかな、と思います。実戦で仲間を救う大魔法使いになるには、少しばかり勇気が足りなかったようですが。
で、ひとかけらの勇気があった方の魔法使いは、賢者の呪文マホカトールも使えた……と。いくらマジカルブースターの宝玉を補助にしたとはいえ、特殊すぎて才能がなければ無理な呪文です。例えばマァムやダイにはマホカトールは使えないんじゃないかなと。レオナは、才能がなければ魔法の契約すらできないって言ってましたし。
もしかしたらアバン先生は、得意の破邪呪文の後継者も探していたのかもしれません。
怖がりで修行嫌いなのにメラゾーマも使いこなす弟子をみたら、秘術であろうと出来ることを全て教えたくもなるでしょう。
で、あとは口車に乗せて。
メラゾーマならともかく、賢者の呪文マホカトールなんて使えるわけないですよ、先生!」
「まあまあ、いいですから、試してみなさい、ポップ。契約を試すだけなら、なーんにも怖くも痛くもないですから、ネ☆」
「はぁ……先生がそこまで言うなら、試すだけっスよ? マジで!」
みたいな感じで、契約だけはやっていたのかなと。一応。この時のアバン先生の内心の期待度とか考えるとグッと来てしまいますねぇ。それに、こういうことをしてくれてなかったら、ここでダイパーティは全滅していましたから。まさに、アバン先生は勇者にして賢者であります。
こういうことを考えると、クロコダイン戦の経験は、このずーっと後の展開で、ポップの大覚醒に寄与することになるわけですね。原作でここを描いている段階では制作サイド的にもマホカトールが伏線になるとは思われてもいなかったかもしれませんが、キャラクターが生きているとそういうこともあるのかもしれません。それはご都合主義とは別のことでしょう。
色々想像すると楽しいです。というわけで、とんでもない密度と早さでテンポ良く展開中の新ダイ。
新作で最大の楽しみはサミットと鬼岩城戦なのですが、このテンポなら前回のアニメ化で終幕となったバラン戦までももしかしてあと2、3ヶ月くらいで到達するかもしれません。なら意外と早く見られるかもしれませんね。