韓国梨泰院圧死事故、のような事故とかでは冷静に

あの韓国の事故で、誰かが密集している人を押したのではないか? 「押せ」と言った人がいたのではないか?
という報道が飛んでいるのが気になる。
これ、確証がなさすぎるのと……。
本当にそんなコトを言った人が本当にいたのだろうか? という疑問がどうもあるのと(人道的に常識的に考えて、こんなこと言えない)。
こういう、理不尽で大規模な事故が起きた時、誰かが悪かったんだ、
としがちであることから。
私はこの話は信じていない。
そういう声が少々起きたとしても、それが多数派になるだろうか?
群集心理で何かが起きたとしても、それを立件できるだろうか?
誰かを犯人扱いして簡単に解決できるとはとても思えない。
あと、どうしてもこのウワサ、歴史的な災害のあとの事件思い出す。
関東大震災のあと「ある民族の人が火災を起こしたんだ」などという流言飛語が飛び交い、その民族の人が酷い目に遭ってしまったという話。
全然聞いたことが無い人は、下記の「GQ Japan」の記事が参考になると思う。各種の関東大震災の検証本にも記載があるだろう。

実際にはみんな生きるのに必死だっただけで、そんな酷い犯罪者は居なかったようなのだが。
得てして、酷くて受け入れ難い事故や災害の後は、誰かが悪いコトをした、といううわさが飛んでしまう。
で、声が大きい人(現代ならYouTuberとか)が、こうした噂をひろめてしまったりする。この流れに、報道すら飲まれることもある。
誰かが犯人であるとできれば、人は自分は悪くないと思って安心してしまうのだ。そいつを徹底的に叩けばいい、サンドバッグを見つけたコトで問題を解決できたと思ってストレスが解消されるのだ。
ここまででなくても、学校のイジメ問題でも起きることである。その子が悪いことはしていないのに、囃し立てるように悪いとされ、担任の先生すらそれを信じてしまうこと。
自分には幼稚園時代にそういう苦い思い出がある。
親の仕事の都合で、東南アジアのとある国に家族ごと引っ越して、幼稚園から小学校までの3年間を過ごしたのだが。
幼稚園は現地校だったので、英語や中国語のみ。
日本語は話すことすら禁止された。日本語を話すと、先生からガムテープで口を塞がれる、キツい臭いの薬を口に塗られるという体罰があった。
現地の子もいたし、何人かの日本人の子供ももちろん通っていたのだが、特に自分は日本人の男の子にいじめられた。彼はそれなりに英語を話せたんだと思う。
あの時、日本語を話してなくても先生にウソを言いつけられて、何度も体罰に遭った。こちらには言い返すだけの英語力、中国語力なんかなかったから、否定できなかった。いくら「No!」と言ったところで、幼稚園という組織を守るべく法を振りかざす先生という権力者、正義の暴力装置には勝てるわけがなかったんだから。
話が脱線した。
ともかく、確証もないのにこういう流言飛語が国を超えてマスコミなどが広めている現状を目の当たりにしていてめちゃくちゃ怖い。
誰か犯罪者扱いされて、無実なのにその人の将来が阻まれるようなことがなければ良いのだが。
それよりも、警備の不適切さや、一般市民から寄せられた混雑していることの通報を活かすことができなかった警察のシステムや姿勢が問われるべきだと思う。

今までの事例などから、このエリアは少なからず混雑しやすいということを予見できなかったのだろうか?
予見していた人のコトを信じて対策できなかったのだろうか。
なんとか防げた事故だったのではないか……。どうもそう思えて仕方ない。
というのも。前回もピックアップしたこの記事が気になるからで。

ある人の呼びかけにより、現場の坂道の通行方向が下りとされた時間帯があったというもの。
誰かが言い出せば人流がなんとかなったなら。
例えば坂道に規制線を張って新しい人を入れないようにして今いる人たちをはけさせて、その後、左側通行になるようにロープや人員で道を分ける…………とか。
上のは素人考えだけども。
ともかくなんらかの形でいったん交通整理すれば、みんな死ななくて済んだのだと思う。そんなことができるのは警察力だけだろう。
それから、周りを良く見ることの大切さも感じた。自分が巻き込まれないために。
安心や安全は、ある意味で幻想。
何か起これば壊れるものなのだから。