SAND LAND

鳥山明先生の映画『SAND RAND』を拝見しました。
ダークヒーローになりきれない……というと、あのピンクのしっぽではたかれてしまうでしょうか?
本人はあくまでも悪魔の王子と名乗っていますが、どうにも憎めないベルゼブブ、こと、ベルゼくん。
(くん付けするなって怒られそう……)
壮年の保安官ラオ氏が、冒険の仲間を求めて彼らの棲家へやって来たところから物語は動き出します。
どうやらこの砂漠世界では、水がとんでもなく貴重なようで。
ラオ氏は水源のヒントとなる青い鳥を見かけており、あの鳥の棲家に『幻の泉』というべき水源があると確信しているとのこと。
ただ、後から描写がありますが、この世界の砂漠には巨大な生物もいますし、殺伐としているため盗賊などもいます。
1人ではとても無理だと判断し、悪魔を仲間にできればと声をかけに来た…と。
そしてここから3人組が生まれ(ラオ、ベルゼ、ベルゼお付きの爺のシーフ)冒険が始まるのでした。
様々な冒険の中でお互いの信頼をえていく3人。
『幻の泉』は本当にあるのか?
そもそも井戸も枯れていくほど水が貴重品になった理由とは?
(人間よりずっと長生きしているベルゼでさえ、いつの間にやらこうなったという認識)。
道中で出くわした王国軍の目的とは?
ラオの痛ましい過去を交えて真の黒幕の正体が判明。
そして悪魔の天誅が炸裂! 最高
ストーリーラインはシンプルです。
お客さんには子どもも多かったですが、楽しんでいたようでした。特に、プロパガンダという言葉を使わずにプロパガンダの本質を子どもたちに伝えたのは、すごいと思いました。真実は自分の手で調べてみなくてはね。
さて、ストーリーのざっくり紹介はこれくらいで(子どもたちに見てほしいなあ)。
やっぱり、鳥山デザインのメカがイイ。ダサいものもどこかカッコいいっていうね。
ラオ氏の愛車のジープで、やっぱり鳥山メカだなあと思ったもんですが。
水タンク飛行機とかは、あんな無茶な構造なのに妙な説得力があってすごかったですね。
戦車も現実の戦車より愛嬌があるデザインでした。
ドラゴンボールの最初の方とか、話が進んだ後だとオレンジハイスクール編とか、ドラゴンボールの中でも生活感のある部分が好きだったんですよね。
本作ではホイポイカプセルこそありませんが、結構なオーバーテクノロジーで、そういう部分だけでもかなり楽しめるかもしれません。
それにしても、やはり、本作はストーリーの本質的な部分が良かったと思うんです。
富の一方的な独占による不均衡は、反乱を生む。
先程も少し書きましたが、悪質なプロパガンダによる世論誘導は、いずれ本質が歴史によってバラされる。
今も、芸能界で大揺れになっていることじゃないですか。芸能界の当たり前的な意識、必要悪と思われたある人物によるある行為。やっぱり悪いことなのだと。
本作のストーリーの背景にあった、過去の戦争での出来事。
このことの教訓を、子どもたちの心にどこかしら引っかかってくれているといいなぁ、と思います。
それにしても、この夏の終わりまで水は貴重ですね! 現実にも! 気温、下がらなすぎです!
肉しっかり卵しっとりのケンタッキーの月見チーズフィレバーガーに舌鼓を打ちつつも。
ドリンクの氷までしっかり味わってから退出したのでした。
あの世界だったら氷を捨てるなんてありえないものなあ!