Mac OS XをPCで走らせる--「PearPC」プロジェクトが始動

以前から68kMacのROMファイルを利用したエミュレーターはありましたが、今回はMac OS XWindows PCで動かしてしまう、というもの。記事はこちら。
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20067903,00.htm

実行速度が遅い、としていますが、これでクロスプラットフォームの一つの方法が確立されれば、ユーザとしてはありがたいですね。陰ながら、スムーズに開発されることをお祈りいたします。

そういえば、dogyearなパソコン業界では大昔の話になってしまいますが、Mac OS 互換機*1という物がありましたね。
その時期の最後に、確かMacWindowsといった、いろいろなOSを搭載したパソコンを作ろうという計画がありました。結局その計画は倒れてしまいましたが。それがCHRPマシン。当時PowerPC上でもMac OSのみならずWindows NTも走らせる計画があったみたいですね。Coplandなんて、懐かしい単語だなあ。以下の記事は1995年から96年の物。なのでこの予定とは違う歴史をMacは歩んだのですが、この予定通りになっていたら、どうなっていたんでしょうね。
DTP-S」より、「広がるMac OS、互換機からCHRPへ」
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/illustrator_saisai/9_2.html

私がたまたま持っているMac LIFE誌の2001年11月号が、オールドMacの特集号で、その77ページ右下にてCHRPマシンのスクリーンショットがあります。Windowsの窓マークと、MacintoshのFinderニッコリマークが仲良く並んでいます。

OSの話とは違うテーマですが、Coplandに関連して思い出したのがOpenDog。Mac OS 8のころ、テキスト、web、音声、静止画、動画などをパーツ単位で考えて、総合的なメディア環境を組み立てていくようなシステム(語弊があるかも?)が考案されていました。今でも愛用なさっている方はいらっしゃるとか。

さて、エミュレーターとは英語で書くと"emulator"ですが、これには「見習う人」という意味もあります。また、「張り合う人」「競争者」といった意味も。

両方のOSを使う機会が増えれば、その人の中で使い勝手を比較させることになりますね。著作権、知的財産的な問題はありますが、本当に使いやすいOSは何か、などの研究のためには、エミュレーターの意義はあると思います。このソフトが完成し、実用として使えた時、Macintoshは、Windowsのユーザーにどんな評価をされるのでしょうか。大変意義深いソフトウェアとなることでしょう。エミュレータは、そのユーザによって、2つのOSの評価を下されるソフトウェアでもあるのです。この競争に、賞杯が贈られるのはどちらでしょうね。

オープンソースでの開発で、今はこんな物も作れるんですね。ちょっと感心しました。頓挫せずに、完成できるといいと思います。

*1:iMacが市場にでる前の時期だったと記憶しているが、Apple社自身以外にもMac OSのライセンスを許し、パイオニアなどのメーカーでサードパーティ製のMacが開発、販売されていた。