年度末。

それなりに忙しいもうひとつの大晦日、3月31日。現代、ホントの意味での師走は12月じゃなくって3月じゃないかな? 教育機関に勤務してると、卒業研究がらみで忙しい12月も充実感がありますけど、新しい1年生のための下準備がある3月もまた、面白く忙しかったりします。


学生相談は減っても(自主的に3月まで勉強に来る人たちもいますから、無い訳ではない)そこはそれ、先生とのお話が楽しい時期だったり。やることはそれなりにある。実は一番勉強になるシーズンかもしれません。変ないい方しますけど、やっぱり「先生」を張ってるだけあって、皆さん切れ者ですので。一緒にお仕事するのが楽しい。らんらん。


今年度末、ひとつの仕事としては、せっかくMacがあるので、iPhotoiMovieを使ってパソコンの操作方法をスライドショーで教える動画を作ってみました。今までは動画で見せるのって思い当たらなかったのですが、これはこれでわかりやすいかもしれない。紙で説明するよりも作るのは楽なところもあるし、大変なところもありますね。
レイアウトに縛られる紙媒体よりは楽。でも、流れのわかりやすい、だれない動画にするのにはそれなりにテクニックが必要なようです。


1年間、早かったなあ。昨年の4月1日といえば、いろいろ準備していて、カッターナイフでスッパリ指先を切った想い出が。おかげでDTP紙切り関係の指導の時には「指を切らないでね!」と強調する癖が付きました。やっぱり手元はきちんと見ないと。


自分がかかわった学生さんが、少しでもパソコンを面白がってくれると、やっぱりうれしいものです。正直、「これが分からないのかなあ」と思うときもまあ、多々あるんですけど、自分があまりパソコンを教わらずに勉強してきた分、人にどう伝えたものか、というのは勉強になります。パソコンを学ぶというのは、ある面で抽象概念の具象化という高度な知的作業でもあります。そうしたとき、適切な例えを使ってサラリと伝えてあげられたらいいんですけれど。


パソコンが上達する方法、それって何でしょう?(良く聞かれることですが)
マックを始めたころ、結構パソコンの原理に関する特集をマックの雑誌でやっていることが多くて、それを読みながら学んだ気がします。でも、時にはMacOSの本を面白がって徹夜することもあったあの情熱はどこからきたのでしょう? (今は徹夜はさすがにしないけれど)


分かる、というのは自分を変えること。それが面白かったのかもしれない。吹奏楽で新しい音に気が付いた時と同様に、新しい使い方を理解することというのは、自分を確実に変えてくれる。それが面白かったのかもしれません。
そういったことの楽しさを、今年度の自分はちゃんと伝えられていたのか……? 7割くらい、かもしれないです。まだまだ要努力! 結局、この仕事を始めてからの目標、パソコンの基本的な考え方をまとめ上げて学生さんたちに伝える、というところには、まだまだ到達できていない気がします。自分の中でもまとまったものがないのはもったいないです。頭いいのに。(え、自分で言っちゃダメ?)


メディアリテラシー本を一冊読むとか、そういう話でもないのは確かです。OSなどの原理から攻めたほうがトラブルに強くなれるんですが、そういう回り道はまだるっこしいところもあります。でも、「ファイルから編集の選択を選んで……」的な、パターン記憶式では、この変化の激しいIT業界で生き残っていける人間は育たない。原理を理解したほうが、どんなソフトにも対応できる人になれると思いますが、小さな相談の短い時間の中でいったいどうやって伝えたものか。「このエラーが起きる原因は」と流れを逐次解説したくても、学生さんの方に原理から考える習慣がないと面食らってしまいますし。だったら対策だけ教えた方が早いんですけれど、大学教育のITってそんなもんでいいのでしょうか、と。この悩みには答えが見つからないです。時間と労力と技量の勝負。できるだけ原理から伝えるようにはしているのですが。


明日からの年度の目標のひとつは、「分かって」「できる」学生さんを一人でも多く増やすことだと思っています。知識だけでなく、知恵の域まで行くとパソコンはすごく楽しいよ、というところまで、何とか伝えてゆきたいですね。