古畑任三郎でした。

イチローが古畑警部補と対決! 観ちゃいました。「古畑任三郎 ファイナル」を。この番組が一番人気があった時代に実は観ていないのですが、最近推理ものも結構好きなので。(逆転裁判以来……)真面目に古畑任三郎を見るのは初めてだったり。実は昨日も観ていましたが。
凄かった。イチローって悪役(?)似合う〜〜〜。顔だけであれだけの多彩な演技が出来るなんて凄い。野球選手引退(考えたくないけど)したあと、俳優でも食べていけると心底思いました。誰かと二人きりのシーン(被害者とか腹違いの弟さんとか、そしてもちろん、古畑任三郎とか)での掛け合いの絶妙さ(二人だけの芝居ってプロでも難しいはず……)に加え、間合いの取り方、不敵でありかつ人間味も同時に感じさせる声の調子、ふとしたときに魅せる眼力……。変な話ですが、『フェアな殺人者・イチロー役』は、やはりイチローさんにしか出来ない! って心から思いましたね。嘘をつかない・しかし自供はしない・敢えて手がかりを残す殺人者。
まあ、確かに、野球選手ってフィールドに立つと俳優的要素も必要になりますからねぇ。次はストライクか、ボールか。盗塁とかは走るか、走らないかって。敢えて次の狙いを読ませて相手の予測の上を行ったり、だまして読みを外させたり。プレイヤーは常に真剣での太刀合いを交わす演技者でもあるわけで。そんな世界で200本を打ち続けてたりするなら、演技力もあるわけで。
イチローが出演しているCM観ていると、多少の演技力が必要なCMもあるんですよね。企画立てた人はその辺を見ていたのかな? 閉まりかけたドアに音も無く走り込むシーンはまるでフィールドでのホームスチ−ル。ただ走るだけで絵になる。
最後に古畑任三郎に追いつめられるシーンで、初めて本当に一瞬だけ弱気な表情を見せるんですよ。アップで。これが本当に凄い。「何かヘマをしましたか?」これですよこれ。地下駐車場が禁煙だ、というなら現場の駐車場が地下ということをどうしてイチローが知っていたか。そこから古畑の推理対決は始まったわけですが……。まさか自分が言葉の手がかりを残したとは思っていない。そこを突かれたときの表情。
彼自身が番組インタビューの中で語っていますが、彼自身が古畑ファン=番組の世界観を良く理解していること、それから、うまい役者さんのウマいリードに助けられたということは非常に重要です。ですが、やはりイチロー自身に魅力と演技力が無ければこうはならなかったはずですね。


さて。イチローへの感想はこれくらいにして。(イチローの演技は素晴らしかった! と書きたかっただけですし)
役者・イチローが本当にフェアプレイのアクターでもあるならば、画面の中に残してくれた、現実世界と演劇の世界をつなぐたった一つの手がかりは本当のもののはずなんですね。

今回、今しか観られない緊張感も楽しみたかったので敢えてビデオには撮らなかったのですが、最初に古畑任三郎にサインボールをあげたシーンだったと思うのですが(このドラマ、やたらとサインボールが出てくるので記憶違いの可能性がありますが)彼がボールにサインした時の日付は「'05 11/28」だったかと思います。一瞬しか映らなかったので不確かですが。
この日付は、真実なのかどうか。番組では誰も何も言っていないもう一つの大きな謎だと思います。古畑さんはこの『フェアな殺人者・イチロー』さんは現実にいる誰かさんとは別人だとおっしゃっている。そのこととこの日付。妙に気になってしょうがないんですよね。実のところ、どうなんでしょうね。Yunyでした。