東府中にウィーンの音が響いた日。

今日は文化の日なので、何か演奏会に行こうと思っていました。そこでちょっと調べてみて、「アンサンブル・ブラビッシモ」というアマチュアのブラスアンサンブル(らしい?)演奏会を昨日知ったのでした。会場である「府中の森芸術劇場ウィーンホール」へ行って、パンフを頂いて驚いたのですが、この団体、ブラスセクション+フルート系+クラ系+パーカッションという、吹奏楽とも言い切れない不思議な編成。しかもそのブラスセクションはロータリートランペットなどのややマイナー楽器(?)を中心に、ウィーンサウンドを目指しているらしい。
金管吹きのはしくれとしても気になる編成です。


曲の冒頭のファンファーレから華やかに始まり、クラシックの有名な曲を何本か聴かせてくれた第1部。まだまだ細かいところで「アレ?」みたいな所もありますけど、響きは豊かで面白かったと思います。そして、この大人数(28名)の割に驚かされたのが、指揮者が居たり居なかったりすること。ベートーヴェンの「田園」の1楽章をブラス中心に上品に聴かせながら、指揮者無し……。あんぐりしてしまった。こんなのありなんですね。でも、縦の線合ってたし……。


でも、考えてみれば、指揮者ってバイオリニストよりも歴史が浅いんじゃありませんでした?
 もしかしたらこれを作曲した当時はまだまだ定着していなかった?


ファンファーレでは指揮者だった女性の方が、他の曲ではパーカッションをなさっていたりして、タクトはなし。なんだかそのあたり自由自在でした。


第2部は、この編成に独自アレンジした歌劇「魔笛」の序曲から全曲!
そういえば魔笛をちゃんと見たこと無かったんですよねえ。ブラス中心のアレンジで蘇った魔笛は、適宜入るナレーションと相まって、ストーリーが分かりやすくて面白かったです。ただ、曲が入っているところでMCが入ると聴き取りづらかったのも確かでしたが。クラシックコンサートの演出としても参考になる事例でした。トランペットからバスクラまで、全楽器がまとまって良い演奏をしていました。細かい響きはもっと習熟願いたい部分もありますが、この楽団ならまだまだ伸びる印象がありました。
それにしても、バストロンボーンがうまかったなあ。わたしもアレくらい吹けるようになりたいものですね。


そしてそしてそして、なによりうれしかったのはアンコール!
この日記を読んでるリアルYunyの友人の方なら、もしかしたら「府中の森芸術劇場ウィーンホール」ときいて「学生時代の想い出!」と思った方もおられるかも。
あのホール、学生オーケストラ時代に何度も演奏したところなんです。定番曲は、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でしたが……まさか、同じ会場で、同様の小編成(といっても、ウチの学校のオケは弦楽器中心でしたけど)でのこの曲を聴かせて頂けるとは!
トロンボーンパートとかほとんどアレンジが同じだったので、座席でうれしくなってしまいました。そうか、こんな風に聞こえていたんですね、あのときはきっと。
今。ソロトロンボーンで「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を練習しています。いつか、誰かのために演奏できるといいと思っています。


最後の最後のアンコールは、ウィーン志向ならもちろんの「ラデツキー行進曲」! やっぱり、この曲はいいですねえ。ノリが明るくて雅で。


帰宅してから練習に久々に身が入りました。人様の演奏を拝聴するのは、何よりの刺激になります。今後の楽団のご発展をお祈りします!