なんで外出自粛=ネガティブなイメージなんだろう

新型コロナウイルス対策で外出自粛してください、っていうメッセージが、いろんな立場の方から流布されている。
なんだか、全般的にネガティブな感じで、そもそも経済を死なせかけているのはこの空気感のような気がする。
ポジティブなメッセージを探してみたが、トーンとして、『家に「いても」楽しめる方法』みたいな感じで、外出の代替手段といった論調。違和感しかない。
外出は悪。出歩くのは社会を破壊する愚者で悪魔。誰もはっきりいわないが、そんなムードがあって気持ちが悪い。
例の、GOTOキャンペーンで都民都内除外により、東京都民であること自体が全国的な悪者、東京は全国から見て諸悪の根源のように扱われてしまった。
たしかに、新宿などは現在、地方から見たら魔都と言われても仕方がない状況かもしれない。例えば買い物に行くと程々に混んでいるし、通勤電車の車内混雑は、体感だが去年の秋くらいの水準に戻りつつあるのではないだろうか。
しかし、本来ならば、人が多いことは経済を回してみんなにお金が回っていくし、出社してでも仕事をすることは人間が生きるために必要なことだ。ネガティブな要素ではない。あのウイルスさえなければ!
何もするな、家に閉じ籠れ、都民は全員潜在的感染者だ、とでも言いたげなこのところのメッセージには、気が滅入って仕方がない。
テレワークを出社の代替で致し方ないものと位置づけ、家にいること自体をネガティブに捉える今の風潮は、ウイルスは広めないかもしれないが、結局は人間のメンタルを破壊していくのではないだろうか。経済苦や精神苦などでいじめや自殺者が増えれば、ある意味ではウイルスよりも厄介なことになるかもしれない。
そうではなく、この状況なればこそ出来ること、といった、発想の転換。今だからこその楽しみ方。仕事の仕方。子どもたちなら勉強の仕方。外出を全面自粛するのではなく、感染リスクの仕組みを理解した上で、安全に外出するための知見。ようは、禁止ではなく制御。そうしたことがもっと前向きに論じられても良いと思う。
厄介なのは、今の政府にあまりにも信用性がないことにより、例えばようやくできた『接触確認アプリ』や『新しい旅のエチケット』といった、理性的で前向きな知見がイマイチ広まらないこと。
後手に回った印象を残したダイアモンドプリンセス号対策、あまりにもお金と時間をかけすぎ利権疑惑を残した布マスク配布、特別定額給付金10万円配布も問題と混乱を多数。GOTOキャンペーンにも利権疑惑があるくらいだ。何かすれば利権、疑惑、説明不足。いい加減にして欲しい。
政府にしかできないことは多数あるのに、説明不足で信頼性がないために、前向きなことも広まらない。あまりに愚行だ。最近、政治関係のニュースをみて、苛立ちを感じなかった日は無い。国民へのメンタル面では悪影響しかないように思う。
現況に一番日和見でネガティブなのは、政府ではないだろうか。その発想でこの難局面を制御仕切れるのだろうか。やはり信じることができない。
もう、自分で気をつけて生きて行くしかないであろう。ポケットには常にエタノールジェルボトル、カバンにはマスクの替えを数枚。外では顔を触らない。外から中に入ったら洗浄・消毒。生活の中で可能な限り換気。大声は当然禁物だ。
ただ、日本人はもともと静寂と沈黙の中に美と悟りと楽しみを見出してきた民族だ。わずか5・7・5の中に宇宙すら詠んだ。自分で考えて行動し、あるいは表現すること、そして静寂の中に眠る可能性を発掘すること。今なればこそ楽しめることがあると思う。